【本】エアバスA380を操縦する

 先月、リオデジャネイロに行くとき、成田~パリ間が、総二階の大きな飛行機で嬉しかった♪というお話を書かせていただきましたが、その大きな飛行機エアバスA380について、とても詳しく書かれている本が、”エアバスA380を操縦する”という本です。

 

 機長が書いている離陸から着陸までの本で、写真もいっぱいなので、さながらコクピットにいるような気持ちになれます。…が、とても専門的で難しく、私は、とてもとても操縦できそうにない…と、途中で難しいところはあきらめてしまいました。

 

 それでも大丈夫。ちゃんと機長が目的地まで運んでくれますから♪

 

 この本は、たぶんA380に限らず、そのほかの機種のコクピット用語にもいっぱい対応していけるのだと思います。

 ものすごーくひこーきが好きなかたにはお勧めします。 

 

 この本は、ずっと前にあるかたにプレゼントしていただきながら、感想を書く機会を逸してここまできてしまいました。 内容は私には難しいけれど、写真をみて、目に飛び込んでくるところを追っているだけでもわくわくします。プレゼントしてくださったかた、本当にどうもありがとうございました。

 

 子どものころの夢はパイロット(民間航空の機長)になることでした。

 パイロットをめざせなかった理由はいろいろでした。航空大学校の視力検査基準。絶対に突破できず…。それ以前に、自転車にも乗らせてくれなかった親が許してくれるわけもなく…など…。

 でも、 たとえそんなところをクリアできてもとてもとてもなれなかったなぁ…とこの本を手にして、やっとあきらめがつきました。 

 ひとつの夢にあきらめがついたら、ようやく次の夢に向かって動き出せるでしょうか…。

 

 

 

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【読書】数学的にありえない

 ずっと鞄の中に入れていた本をようやく、連休で読み終わりました。  

 ”数学的にありえない”… です。

 ストーリーを書くのはもともと苦手ですし、この本は特にすごいスピードで走っていくのでとても私ではうまく表現できないのでパスしますが、 映画にたとえるならば、”レインマン”と”シュリ”が一緒になったような映画でした。…ふつうこの組み合わせはあり得ない気がします。 数字に関する特殊能力のある男性と、ものすごくばったばった倒していく強い女性が主人公で、話の内容は確率論を中心にした数学のトリビア+予知に関するもの。

 文庫本で上下巻にわかれていて、上巻の途中ではほんのちょっとだけペースを落としてしまいがちになるかもしれませんが、特に下巻はノンストップのアクション映画哲学付き。

 本の内容自体は、とてもおもしろいものの、特に”ものすごく、自分の心の中で忘れえぬ本”とまでは言えなかったのですが、巻末で作者がなぜこの本を書いたのか、作者はどういう人なのかを知ると、物語の見方が変わりました。 なんだか、じーん…。

 本を読んでいて、私が考えさせられたのは、”既知“感というものです。この本の主人公はものすごくそれがある人だけれど、この本の中に書かれているように、たぶん程度の差があるだけでそれなりに持っている人は多いわけで、たぶんその力は、正規分布…ではないかなと。私がその正規分布の中のどの位置にあるのかわからないのですが、たとえば、”むしの知らせ”とか”第六感”というものが確かに当たった記憶はあるので、きっと何もないことはないのでしょう。

 ただ、それがいつおこるのかなどの正確さはなく、いつかどこかでふっとそんなことがあるかも…程度で。この本に出てくるように、確率的に、94・27852%は…などといえるようなことはなく。もし自分にこの能力が十分にあれば、迷わずナンバーズを買いますが。

 

 第一、この本はなにげなく手に取って、ふらっと買ってしまったのですが、読み始めた直後に、あるニュースに接して、そのリンクにびっくりしたりもしました。(この本を読まれたかたならばおわかりになると思います。

  この本を読みながら、ふっと心に浮かんだシーンがあるのです。それが本当に将来起こるのかどうか、今は 46・2895634%くらいの確率でわかりませんが(←この数字、いい加減です)、それでも、そんな光景が浮かんだことがとても不思議でした。

 そのほか、この本ですごいと思ったのは、邦題のつけかたです。世の翻訳本にひどい邦題が多いなかで、このタイトルは珍しいほどに秀逸だと思いました。

 

 主人公が魅力的。ハイテンポな進行。さまざまな伏線。そして、知ったつもりになる薀蓄と哲学。 しばしを忘れて楽しむには第一級のエンターテイメント本かもしれません。

 この本を鞄の中に長くいれていたなんて、読者的にありえない。…かもです。

 

 

 昨日の映画といい、今朝読み終わったこの本といい、なんだかちょっと人並みに休日を過ごしている気分で♪  あれこれ仕事もせねばならないのですが、なんだか妖怪人間ベムの叫び・・・・が達成できた気持ちです。…ん?意味不明ですか? ちなみに私が何をどう叫んでも、ちっともムンクのような高値はつきませんね。たは…。

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【読書】火星のプリンセス

 SF小説を読むのも久しぶり。… というか、中学生時代はクラスメートの影響でいくらか読んだものの、大人になってからは自分の想像力欠如を痛感し、ほとんど手にとることがなくなってしまっていましたが、あるかたのおすすめで、”火星のプリンセス” エドガー・ライス・バローズ著を読みました。

 

 鉱山で財産を築いた男、ジョン・カーターが自分が死ぬ時に、残した回想録に書かれていたのが、若き頃、なぜか自分の体が神秘の惑星、バルスームにあり、そこで、部族間の衝突にまきこまれながら、ある種の英雄として身を立て、名をあげ、ある部族のプリンセスに恋をして… というストーリーで、別の星という異空間を舞台に、ロビンソン・クルーソーが、アパッチの戦闘の中で、お姫様をお守りする…という、本当に直球のお話でした。

 そしてそのお話を、当人のジョン・カーターが語る…というものなので、まさにヒーローの世界にぐんぐんひきこまれます。まさに王子さまのようなヒーローが乗る馬の後ろに一緒に乗っているかのような気分で(勝手に自分がプリンセス気分?) 最後まで気持ちよく読み終えました。(あの爆弾低気圧で止まっている新幹線車中での大きな救いになりました。)

 

 ああ、なるほど、SFってこういう世界だったのですね… と。

 実はこのところ、人生、いかにポジティブに元気に生きるかといったような言葉満載の本ばかり手にとっていたのですが、もしかしたら、そんな本十冊よりもこの、ジョン・カーターさんに手をとられて、見知らぬ星でサバイバルする恋物語を夢想するほうが、元気になるかも…。紹介くださったかたに感謝しています。

 文庫の帯によりますと、ウォルトディズニー生誕110周年記念作品 「ジョン・カーター」の原作だそうで。この映画は明日、4月13日(金曜日)から、全国で2D,3Dでロードショーとか。

 ”13日の金曜日”からのロードショーでも、ヒーローはきっとジェイソンとは違うはず。ディズニーが選ぶ、”まさにヒーロー!”ははたしてどんな俳優さんなのか…。本の帯の写真で見る限りは、少し私が本から感じた”王子様♪♪”とは違うキャラなのですが…。(ちなみに私がイメージしたのは竜馬伝の福山雅治さん的王子様です) スクリーンで動く王子様はまた違う印象になりそうな気もいたします。 

 季節も桜から、新緑にめぐろうとしています。

 ふーっと、まずは大きく深呼吸して(この物語の最後のほうでは、この深呼吸が、超贅沢行為になりますが) 顔をあげて歩くと、そこにはこんな王子様がいるかも?… 。

 元気にいきたいものです。

 

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【読書】ある成功者の老後

 

 先日、こちらに曾野綾子氏の”人生の収穫”のことを書いたときに、コメント欄でご紹介いただいた本を、せっかくの機会なので読ませていただきました。

 「ある成功者の老後」という、小説風のエッセイというか、エッセイ風の小説というか… そういう短編集で、鮮やかなひねりを楽しませていただきながら読み終えました。

 

 いくつかの作品の中で、もちろん、心に響くもの、響かないもの、いろいろありましたが、読み進めていくうちに、だんだんと自分が作者と同じような目線で見ていくことをおもしろく思いました。

 

 知人で、電車に乗った時などに、まわりにたっている人はどういう人なのだろうと想像するのが楽しいという人がいます。また、ある海外のカフェで珈琲を飲みながら通り行く人をぼーっとみていましたら、一緒にいた知人が、「あそこを歩いている人は、きっと○○から来た人で…」と、いろいろと空想してかたりはじめるのにびっくりしたことがあります。

 

 私は、そういうのは苦手なほう…なので、”それが正解かどうか確かめるすべもないのに…”とか、”それを考えてどうなる…”とかなり否定的な見方をしてしまっていました。(その前に、仕事がらみのことで少々険悪な状態になってしまっていたこともありますが)

 

 というか、私は本当に、そういう周囲の人から作るドラマなどの空想に向いていない(自分自身の妄想は得意ですが♪)タイプなのだと思います。それだけに、この本を読みながら、作家というかたはこういうふうに世を考えるのだ…と、思った次第です。

 

 日常の小さなことから、大きなことにまで広げていく才能がないと、文章のアイデアは枯渇してしまうのでしょう。 最近ますます、自分に想像力、創造力ながく、なんてつまらない人間なのだ…と思うことが多いので、これから、少し、自分の周囲に起こることをストーリーじたてで考えていってみるのもおもしろいかもしれないと考えはじめました。

 

 そう考えると、数行程度のドラマであればできてしまうのかもしれません。

 これから、ドラマ書き留めノートでも持ち歩いてみようかしらと、ちょっぴり本気で思っています。この本を読むきっかけを与えてくださったかたに感謝しています。

 

 

 … 昨日はいっぱいいろいろなことがあり、一人芝居でへとへとになったりもしました。その一人芝居をシナリオにすると、まさにコメディなのですが、自分が情けなくなるので、ふーみゅと。 他に、物語に広げられるかもしれない場面としては、こんな場面がありました。

 

 一緒にお仕事させていただくかたが、上質の、素敵な春色のネクタイをされていたので、 「いつも素敵なセンスのネクタイをされていますね。」と申し上げたところ、 「よくネクタイは褒めてもらうのだけれど、生涯、一度でいいから、ハンサムなかたですねと言われてみたいよ。」と言われ、とっさになんと返答してよいかわからず。… でも面と向かって男性のかたに「あなたハンサムですね」…とは、言えません。たとえ、それが、ティムさまでもヨンさまでも…。

 ある成功者のかたとの会話でした。

 

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【読書】陽だまりの彼女

 昼と夜の長さが同じ日… となると、もう確かな冬の終わりを感じずにはいられません。

 今年の冬は寒い日が多くて、そんな日には、昔住んでいた家のひだまりをなつかしく思っていました。今住んでいるところでは、ぽかぽかした縁側…というものがなくて、本当はそこで猫のようにまーるくなって過ごしたいのに…と、そんな時間を恋しく思います。

 

 でも、そんな時間をふっと味わえるような本にであいました。「陽だまりの彼女」 という越谷オサムさんというかたの本です。中学時代にクラスで勉強ができなくて、いつも周囲にいじめられていた女の子真緒に、仕事の関係でばったり再開したとき、その子がとってもデキル女の子になっていてびっくりした主人公の一人語りで、物語が進む、ほんのり淡くてときめき、そしてちょっと不思議で胸がきゅんとなるお話です。

 内容はちょっとミステリーっぽくもあるので、詳しくは書かないでおきます。

 でも、誰かに胸がキュンとなった経験のあるかたであれば、どんなかたにでもおすすめしたい本です。

 

 恋愛小説というものを手にとるには、大きくなりすぎた気がして気恥ずかしくて、ずっとこういう本を読んでいなかっただけに、ものすごく新鮮でした。

 ひだまりならぬ、こたつのぬくもりのなかで、ころころしながらすーっといっきに読んでしまいましたが、久々にいっぱい、泣きました。

 あれ、こんなに恋愛小説を読んでまだ泣けるのであれば、私はまだまだそんなに大きくなりすぎていないのかも? と思いました。

 なんだかまたこんな本をもっともっと読みたくなりました。 素直にいっぱい泣くことができたら、大きくなっていくうちに檻のようにたまってしまったものや、花粉も(!?)流してしまえるかなぁと。

 すっかり大人になりすぎていた気持ちになっていたのかもしれません。読むきっかけをくださったこの本をプレゼントしてくださったかたに心から感謝しています。

 …街で、手をつないでいる人たちをみると、いいなぁ…☆とよく思います。そんなふうに、わずかな時間でもつながっていたいと思える相手と出会えたときって、まさにそれは心のなかにひだまりを感じられるときではないでしょうか。

 ひだまりの人は、ほっこりやさしい笑顔をみせてくれます。そんなひだまりの人が好きです。

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【読書】感情の整理の上手な人下手な人

 

 … 昨日は、久々にひどく落ち込むことがありまして、聞いてみたいセミナーに参加申し込みをしていたのですが、受付だけすませて資料をいただくだけでさぼってしまいました。

 そして大好きなケーキ屋さんへ。ケーキ屋さんに入る前に、そのお店の隣の書店で本を一冊買っていきました。”「感情の整理」が上手い人、下手な人”という和田秀樹さんが書かれた新書です。

 この本は、先日、曾野綾子さんの本を買った時に、すぐ横にあって、ぱらぱらと手にしていたものです。すーっと読める本で、新製品のケーキ+コーヒーと過ごす一時間弱で読み終えました。

 要は、いつも機嫌よくいましょう♪ …ということで、機嫌のよい人にもたらされるメリットと、そんなふうにあるためにはどうしたらいいでしょう?…ということが書いてあり、きっとこんな本をたくさん読まれているかたにすれば、あたりまえでものたりないと思われるかもしれないくらいすーっと流れていく本ですが、感情の整理ができなくて困っているときには、深遠な専門的な本よりも、こんな本のほうに助けられるのかもと思いました。

 生きていると、落ち込むことしばしですが、あ、しまった… 今落ち込みかけている… というときには、できるだけ早めに浮上をはかるのが自分にはよいようで、だんだんと年を重ねているうちに、その浮上の方法も、第一段階、第二段階、第三段階・・・・と、自分流を確立してきました。以前、深海魚のようになったことがあり、それはそれでまた人生のひとこまなのだろうとも思えますが、浮上までにかなりの時間も労もかかったので、やはり早めに浮上するほうがいいかなと思います。

 ケーキを食べながら本を読む… というのは、自分では第二段階です。

 幸い、空は青い日で(でも、花粉はいっぱい…)新製品の甘夏柑とたまたま金柑という宮崎のフルーツいっぱいのケーキはおいしく、落ち込んだ原因のことも少し状況が変化したりで、ケーキ屋さんを出るころには、かなり元気復活しました。

 この本の中で、心に残ったのは、アメリカのコフートというかたの理論で、”人間の基本的な動機は自己愛を満たすこと”だそうで、その基本的な心理ニーズは、

 (1)「鏡」を求める心理

 (2)「理想化対象」を求める心理

 (3)「双子」を求める心理

とのこと。この点に興味を持ったので、今度は心が元気な時にコフートという人の本を読んでみようと思っています。

 が、とにもかくにも、心がしんどいときには、自分をいっぱいよしよしして、好きなものを食べて、楽しいことを考えるのが一番なのかも♪

 …そして、”そんなとき”のただ一回の浮上薬?として買うにはもしかしてもったいないかもしれませんが、時にはこんな本も必要なのかもと思いました。本屋さんにはこの種の本がずらーっと並んでいる…ということは、それだけいろんな人が必要としているということなのでしょうか。

 

 

 …それにしても、何か落ち込むたびに、甘いものをいっぱい食べていてはどうなるのでしょう…。 その昔テレビCMかなにかできいた 「みんな悩んで大きくなるのだ」…という言葉を思い出して、思わずうなずいています。 ん???

 

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【読書】人生の収穫

 ものすごく、さらーっと読めて、思わず共感しながら読み、あっというまに読み終えてしまった本をご紹介します。

 「人生の収穫」 曾野綾子氏著 河出書房新書 です。

 曾野綾子さんの本は、昔、いくつかの小説が好きでした。「天上の青」「春の飛行」「二十一歳の父」など、忘れられません。

 この本は、ランチをご一緒したかたに勧められて、お別れしたあとそのまま本屋さんに行き、次の会合の場所に向かうための往復の電車と若干の時間調整のためのコーヒーショップタイムで読み終えてしまいました。 

 それぞれのエッセイは3ページ弱ですが、本当に自然体で、しかも本質をずばっとつく明快爽快な文章です。各エッセイのタイトルと、最後の言葉に、きらっとした言葉が多くて、そこをひろうだけでもおもしろいと思いました。

 ○人は自分が手にしていないものの価値だけ理解する。皮肉なものだ。

 ○人脈を使いさえしなければ人脈はできる。

 ○私の実感によると、人生の面白さは、そのために払った犠牲や危険と、かなり正確に比例している。冒険しないで面白い人生はない、と言ってもいい。

 などなど…。いっぱいあります。書ききれません。自分の反応するところから自分自身をみていくことができると思います。どこに反応されるかは人それぞれ。だから人生はそれぞれでおもしろいのでしょう。

 

 

 

 ”人生の収穫”というタイトルのように、人生を語るには、まだ若すぎる…と自分では思っているのですが、この前”たまて箱”をあけてしまったせいでしょうか。お話がすーっと心にしみました。 … もしかして、”まだまだ”…と思っているのは自分だけで、本当はもう”それなり”になっているのかもしれません。

 人生を思い始めるという踏み絵を踏んで、自分の生きた長さを踏んでしまったのかもしれません。

 

 

 

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【読書】謎解きはディナーのあとで

 ひごろ、テレビにはご無沙汰なのですが、本屋さんで平積みになっていてきになっていたタイトルの本のドラマがあると知り、昨年末、知人に録画を頼んでいたものをまとめてみましたのがこのドラマです。

 なぜか刑事をしている超お嬢様の事件解決を、なんとも慇懃無礼?な執事が手伝う(?)というもので、事件の真相を執事が話すのがディナーのサービスをしているとき。そして、そのクライマックス?を語る前の決まり文句がこの作品のタイトルの言葉。

 

 ドラマではなぜか、このお嬢様と執事がとても好きになり、特に最終回の二人が、好きでした。執事の履歴、そしてこの二人の将来展望がとても気になる、シンプルに楽しめるドラマでした。

 

 原作の方も気になりましたので、手にとってみました。ミステリーとしましては、正直なところ、お口あんぐり?の動機や謎解きに驚きましたが、こんな楽しい本もあってよいのかもしれません。

 ディナーのあとに、とても軽いシャーベットをほんの少しさっぱりといただいた気分でございました。病み上がりのときにライトな感覚で読まれる本としてはよろしいのではございませんでしょうか。… と申しましても… 読まれるのは今しばしのちの某書店均一棚でのご購入でもよろしいかもしれません。おっと… こんなことは、財閥のお嬢様やその上司の自動車メーカー御曹司の世界とはかけはなれた庶民の世界のことではございますが。

 

 謎解きはディナーのあとで… と申しますよりも、謎解きはブレックファーストのまえで… という本でございました。

 

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【読書】ルポ貧困大国アメリカ

 

 ここ3日ほど、久々に体調を崩し、ダウンしておりました。その間に、何度も何度も中断を挟んで読んだ本が、以前、買っていて積んだままになっていた”ルポ貧困大国アメリカ”という本です。

 サブプライムローンの問題以降、アメリカでの貧困の理由をしばしば雑誌の記事などでも目にするようになりましたが、それがコンパクトにまとめられている本でした。

 

 貧困が生み出す肥満児。自由競争が生み出す経済難民。民営化と自由化という言葉の先にある切り捨て。一度の病気で貧困層に転落してしまう実情。(アメリカの医療費の高さにはびっくりしました)。大学生が背負う莫大な学費ローンとそれの解決の手段になっていく徴兵制。世界中のワーキングプアが支えているのは何か…。

 

 非常に読みやすい本で、病気でなければきっといっきに読んでしまったでしょう。そして、背筋に病気とは別の悪寒をはしらせたのが、この社会が… けっしてこの地でのヒトゴトには思えない未来の姿かも…と思えたことでした。 もう少し、この問題について、別のかたによってかかれている本も読んでみたくなりました。

 ちなみに、体調を崩したときにびっくりしたのは、あれほど寝る前のBGMにしていたBONESを見る気にはなれなくて、さすがにもっとソフトでふわっと幸せな映画を見ようとしたことです。体が欲する食べ物が、今回は、おろしリンゴでしたが、心が欲した映画は、ラブ・アクチュアリーでした。 大好きなコリン・ファースさんほかを見て、ふわっと幸せになって気分の悪さを忘れて眠りにつけました。

 

 ちょうど土日だったので、少々弱気で、救急にいって点滴でも…と思ったりもしたのですが、結局お医者さんにもいかずに、手元にあった薬と休養とおろしりんごで回復をはかりました。ふっと思い出したのが、”イントゥ・ザ・ワイルド”です。荒野で一人で病気になることって…と。はるか縄文の人のことにまであれこれ夢の中で思う半分以上が眠りの週末でした。

 

 

 

 

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【読書】悪女について

 

 

 …(ある本の感想です。最初にアップしたものから。少し加筆しました。まだきちんと書ききれていない気がしています。書ききれないと誤解されそうで怖いのですが、ネタバレなしに書くのは難しいです…)…

少し前の皆既月食といい、このところ、冬は陽が暮れるのが早いので月を見上げることが増えました。同じ時間に帰宅しても、夏ではまだ明るいのに冬には、月や星が見えます。

 月をみあげて帰りながら、よく思い出すのが、中島みゆきさんの”悪女”という曲です。月夜は素直になりすぎるから、悪女にはなれない… という歌の情景を思います。悪女ってどういうものなのでしょう…。

 

 新年のおみくじ?がきっかけで、有吉佐和子氏著の”悪女について”を読みました。神様の声には素直に耳をかたむけ、書店で即購入したわけですが、神様の声に従うのはよきことです。惹きこまれて、ずっと電車の中でも読み続け、夜更かしして読み終えてしまいました。

 まず、この本のお話をさらっと書かせていただきます。

 富小路公子なる女性が、ビルの7階から転落して亡くなりました。テレビのワイドショー?などにも登場する有名な女性実業家であっただけに、週刊誌などが、彼女の隠された過去、男性関係ほかの私生活を書きたてていくという中で、27人の彼女に実際にかかわった人に話をきいていき、彼女の人生を紡ぎだしていくというものです。

 彼女にかかわりある人々が、様々な立場から彼女の思い出をかたります。出生の秘密(自分は出生に秘密があり、育ての親である八百屋さんの夫婦にもらわれて、育ったと公子はいろいろな人に語ります。)、そして夜学で簿記を学び、生きていく力をつけ、実業家になっていく様子、彼女の婚姻関係、二人の息子の父親は誰かなどが、彼女の幼馴染、同級生、親、恋人、使用人ほかいろいろな立場から語られます。

 

 公子自身の言葉では何一つ語られず(文字通り死人に口なしなのでしょう。)一人称で語られるお話から、公子の人生がどんどん浮かび上がり、浮かび上がったと思うとまた謎が増え、その謎がまた他の人のお話から、解き明かされ… というとても秀逸なミステリーでもあると思いました。 タイトルがタイトルですので、なかなか手が出しにくい?本かもしれませんが、いろいろなかたにおすすめしたいと思います。一人の人生が27の視点から別々に語られたように、読後感もまた、それぞれのかたで違うと思います。

 それで、以下はあくまでも一人の読者の感想…です。(しかも、アップして読み直してみて、未読のかたにはとてもわかりにくい内容だと思いました。すみません。)

 読み終わってまず思ったのは、”この女性は悪女?”ということでした。

 

 そもそも悪女ってどういう人なのだろう…と考えさせられました。そして、それは考えれば考えるほど、おもしろく深い命題でした。

 もちろん、生きている間に、何一つ悪いことをしない人間…ということはたぶんありえないことで、ましてや、事業も成功させ、謎めいた出生の息子二人の母親でもある公子の人生には、その言葉の中で嘘も偽りもあったでしょう。が、それでもなお、公子は”悪女”だったのか? どうか…。

 事業で詐欺まがい?のこともしているかもしれません。…本の中では宝石のすりかえ疑惑などが描かれるのですが、これとて、”いやそれでももしかしたらそれは…?”という”いいがかりかも”と思えるところを残しながら書かれているところは実にこの作者のすごいところだと思います…。そして、もしも詐欺などビジネス上のことをしていたとしても、それは”悪人”であって、”悪女”ではない気がするのです。

 しかも、そこであげられている”だまされた(かもしれない)”人側にも明らかな非があるわけで。 ”それは、あなたのほうが悪いでしょ”… と思わず思いながら読んだりしたところもありました。 それだけ、一読者を味方につけてしまう公子 はすごいのかもしれません。が、それでもなお、そのことをして”悪女”ではないでしょう。

 また、男性関係にしても、公子のことを決して悪く語らない男性たちの証言がいくつもあります。そんな言葉を読んでいますと、少なくとも公子は、その男性たちにとっては”悪女”ではなくて、むしろ”天女”ですらある気がしました。

 

 ネタバレになりますので、具体的にとても書きにくいのですが、総じて、27人の証言から一度もあったことがない女性の人生を考えると、”ただ幸せになりたくて努力していただけであり、その一生懸命さが幾多の人を惹きつけ、またそれらの人に彼女なりに鏡のように向き合っていただけ”… のような気がするのです。

…鏡のような… というのは、優しい気持ちの人にはそのままに優しい気持ちで。心に邪念のある人には、その邪念に応じるようにと。

 婚姻にまつわる件、子どもを出産したときのことは、尋常でない行動なので、これをして”悪女”というのかもしれません。”貞操”という観念からですと、公子はとんでもない女性…なのだと思います。が、でも、あえてここも彼女の弁護側に立つとしましたら、”産む性”である女性という立場、家柄ほかで結婚を認められにくい(ましてこの本が書かれたころは)社会の因習ほかがベースにあります。 そこには眼をつぶって、”とんでもない女”のひとことで言うには、片手落ちなのかもと思いました。… もちろん初めての子の出産のときの産院からの連絡ほかには、目が点になりましたが。

 

 公子がテレビ出演するときのことをテレビ局の人が語っていたところがあります。最初に読んだときには、へぇぇ…(呆れ)という感じで読むだけだったのですが、後で思いなおすと、ここに、この本のいろいろなことが凝集されているように思いました。テレビ局側が求めているシナリオ通りの動き?に、本番で・・・・という行動から、公子のいろいろなことが凝集されているように思えるのです。(ネタバレになりますので、ここはごにょごにょと) 

 … そもそも彼女が”悪女”であるかどうかは、彼女に直接かかわっていない人にとっては、とやかくいうことではないはずのこと。週刊誌にしても、インタビューアーにしても、作家にしても、読者にしても …。

 もしも、作者がこの本に”悪女について”というタイトルではなくて、”或る女性の生涯”というタイトルにでもしていましたら、読者それぞれがこの女性について別の称号?をつけて読んでいたかもしれません。 ”悪女”というのは、作者から刷り込まれた印象にすぎないのかもという気がしてきました。

 

 … でも、これから、お読みになられるかたは、まずはしっかり”悪女について”というタイトルからスタートされて、この本の世界にたっぷり入りこまれますようにとお願い申し上げます。そうでないと、私は、この小説を楽しむある面を奪ってしまったという意味で”悪女”ということになりますから。 

 

 ”悪女”って、なんでしょう…。

 その女性とのかかわりがなく、またたとえあったとしても、何の”得”も受けられなかった人が、自分の人生とは違うタイプの、一生懸命に生きることで輝いた女性の人生を羨んでいう言葉だとしたら、”悪女”というのは勲章のような言葉なのかもしれません。 

 また、たとえ週刊誌的に”悪女”と言われる女性であっても、その女性とつきあった男性で、彼女との幸せな思い出をキープしている男性にとっては(この本の中にも複数でてきますが)、たとえ周囲が何を言おうと、彼女は天女なのでしょう。

 公子と関わった男性らの言葉には、彼女への慈愛を感じる人がいます。が、その一方でこの本で、ちょっと気になったのが、公子とつきあった男性には、強烈な個性を持っているようなタイプの男性がいなかった点です。

 それだけに、この本は、どちらかというと普通の男性が、ほんの少し??勇気をふりしぼって???、素敵だなぁという女性にアプローチして、その女性が、その男性の心に彼女なりにできる方法で精一杯こたえようとしたお話?という気さえもするのです。

 スウェーデンのことわざに”勇気ある男の子だけが美女とキスができる”というものがあります。”普通の男の子が、勇気をふりしぼってキスをして、それに女の子が微笑んだ”。… 光景が、なんとなく自分の中の読後の残影としてあるのです。 

 

 つきぬほどいろいろな想いが沸き起こる本で、うまくまとめられないままに書いていますが、新年早々にこういう本にであえたことに感謝し、おみくじを”大吉”と思いたいです。

 ところで、”悪男(あくだん?)について”…という本があれば読んでみたくなりました。

 … ”悪女”(あくじょ)と”悪人”(あくにん)は違うと思います。

 (あくだん)と(あくにん)はもちろん違います。”悪男”という言葉はきいたことがないのですが、”悪男”とはいかなる人なのでしょう?。  ”悪男”の中には、時に歴史上では”英雄”と言われている人もいるのかも。

 

 ”悪男”とはいかなるタイプか…。次なる命題?です。 ふーみゅ。 

 

 

 

 

 

 

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