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一期一会

 

 その人の記憶… として残る音楽があるのだと、これまでにもよく思ってきました。

 たとえばそれはその人と会ったときに、店内で流れていた曲であったり、

 たとえばそれは助手席で聴いたカーステレオから流れる曲であったり、

 たとえばそれはプレゼントされたCDの中の曲であったり。

 

 自分の記憶の中で1対1対応で、強力な線分がひける人と曲との関係…というのを今朝はあるCDを聴きながらぼーっと考えてしまっています。 CDラックを眺めていると、それぞれのCDの、”この一曲”につながる思い出がフラッシュバックしてきます。 ラックにないCDのことも妙に思い出されます。 買った数日後に売却して、そこから思い出をすべて消そうとしたことなど、CDはそこになくても思い出されて苦笑してしまったりもしていますが。

 

 昔は意識することがなかった”一期一会”… という言葉を最近は噛みしめることが増えました。最近、おめにかかったとあるかたからすすめられたCDを聴いていますとそんなことを思わずにいられません。

 名刺交換をしたあと、目をあわせて驚きました。はっとするほど澄んだ深い目をされていたかたでした。たぶんもう生涯おめにかかる機会はないかたなので、残念です。もちろん、人生は何があるかわかりませんし、私がそのかたのお仕事先をまたおたずねすることでもあれば、また会えるかたなのでしょうけれど、たぶんそんなこともなく。それだけに、本当に一度おめにかかっただけで、たぶん生涯、記憶に残るお話もできた… というのはすごいことだと思うのです。

 そして、人とのそんな出会いもあるから、人生、一生懸命前を向いて歩いていけるのかなと思いました。 

 

 そんなことを思っていた直後に、またしっかりと前を力強く見ておいでの別のかたにもおめにかかることができました。

 …そのかたとも一期一会…。このかたとは、音楽の記憶ができていませんが、一冊の本で記憶につながり続きそうです。

 

 

 本当は、素敵なことって、書いてしまうとそれで消えてしまいそうでこれまでは書けませんでした。 でも、今日はこんなふうにここに素敵だと思ったことを書けるのも、もうおめにかかることがないかたとのことだからかもしれません。… 一期一会… の重さ、潔さ、そして透明な寂しさ…を、感じながらCDを聴いています。

 …曲は、フレデリック・ショパン作。 12の練習曲 作品10.第三番 ホ長調。

 ”別れの曲”です。

 初めて会ったかたに奨められたのが”別れの曲”なんて、まさに一期一会。

 

 この曲、以前から好きでしたが、曲だけに出会うのと、人とともに出会うのとでは印象が変わり、さらに心にしみる曲になりました。 趣味がピアノというそのかたはどんなふうにこの曲を弾かれるのかしら…と、名刺の肩書きからは想像もつかない(?)お姿を勝手に思い描いています。いつもならば、CDは演奏者情報をお伝えするためにもアマゾンのリンクをここにはるところです。 でも、 今回は、それはせずに、ちょっとだけ書かずにおくところも残しておきます。

 

 ちょっとしみじみ。日曜の朝です。 

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