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2012年4月

【映画】アーティスト

 今年のアカデミーを5部門で受賞の映画、”アーティスト”を見てまいりました。

 サイレント映画時代の名優が、トーキー時代の到来とともに忘れ去られる存在となり、かわりにその名優に小さな小さなアドバイスを受けた新人女優がスターの道をかけのぼり、彼らは立場をかえてまた向き合うことになるという、とてもシンプルなストーリーです。

 

 鑑賞したきっかけは、この映画をアメリカで見た友人から、”この映画は是非映画館で。DVDで見るよりも映画館でみるほうがこの映画にとてもあっているから”ときいたからで、日本公開を待ちわびていました。

 

 が、映画館は、アカデミー賞大好き日本人でいっぱいかとおもいきや、平日の午前中だったからでしょうか。とても人が少なくて、この映画の中のどの映画館でのシーンよりも少なくて(満席の熱狂シーンだけでなく、そうでないシーンと比べても)少々、残念な気がしました。 今、さまざまな元気な映画が相次いで公開されているので、サイレント映画?は、そんな映画に比べてなじまれにくいのかもしれません。

 

 私は、サイレント映画にも、トーキー映画の黎明期にも特に思い入れのない、テレビの淀川さんの日曜洋画劇場に子供のころから育てられた世代なので、この映画の世界は新鮮でした。鑑賞前の先入観では、かなり集中して見ないと、話についていけないのかな?と思っていたのですが、音楽や、ところどころでのアクセントが上手にきいていて、しかもシンプルな流れではあり、特に難しさを感じることはありませんでした。これは作り手側さんから慣れない世代への親切なのかもしれません。

 

 映画全体としては、とてもよくできていて、盛り上がりとか、昂揚感などは、現代の濃い味付けの映画に慣れてしまっていますと、物足りなさを感じもしましたが、冷静に振り返れば振り返るほど、文句のつけようのない良質の映画であり、思い返すほどに映画としての完成度の高さを認識することとなりました。

 

 なにが素晴らしいかといいますと、”さじ加減””バランス感覚”…が素晴らしいです。

 料理にたとえていうならば、上質のだしで、上質の素材を料理し、さらにメインの調味料から隠れ調味料まで、本当ににくいばかりにまさに絶妙のさじ加減。もし、たとえばほんの少し砂糖で甘くしてしまうと、その味をそこねてしまうけれど、本当にひとつまみの分量まで吟味されているので、実に上品で味わい深い仕上がりになっていると。

 

 単に、サイレントだトーキーだというノスタルジックな話題でアカデミー賞をとったわけでなく、まさにこのぎりぎりで上質のさじかげん、バランスで映画の王道を走り、アカデミー賞をとったのだと納得できました。

 

 … この映画を、どんなシチュエーションでご覧になられたらよいのかはちょっと今、ぴんときませんが、この映画の話をわかちあえるかたと、一緒にでも別々にでもご覧になられると、豊かな時間を共有できそうだとおすすめします。

 そうそう… 犬好きのかたには、絶対におすすめです。この映画。アカデミーに主演ペット賞があるとすればこの映画はまさにその最有力候補でしょう。素晴らしいワンちゃんでした。

 

 実は、私は、これは”遅ればせながらの誕生日>自分”として鑑賞にでかけました。先週、誕生日をむかえたのですが、誕生日当日は、ちょっとラフなスケジュールで、自分のための時間を確保できなくて、日をあらためて誕生日を自分で祝う?ことに。

 直前の一年間は、自分の人生の中ではある意味で大きな転機であり、本当にいろいろなことがありました。自分の心のもちかたの舵を大きくきった一年でもありました。そしてこれからは… 何があるのか、何がおこるのか、自分がさらに変わるのか変わらないのか、まったくわからないのですが、とにもかくにも、自分のために、自分が考える一日が欲しくて、こんな時間をとったわけです。

 映画を見終えたあとは、なんだか、ドラえもんの世界のジャイアンが、できすぎくんを見てしまったような違和感を感じました。

 自分の最近の生き方を料理にたとえるならば、そこそこの素材は選ぶようになったものの、料理の仕方はシンプルに炭火焼。調味料は塩と黒こしょうのみ…。というような感じで、この映画のような、良質の出汁、さじ加減の微妙な調味料…ほかには程遠いものなので。

 でも、じわーっと、この映画の味がわかってくるうちに、たとえばこの映画を薦めてくれた友人のこれまで気がつかなかった一面?を感じたりと、いろいろな気づきがじわーっとしみだしてきました。そして、これからの一年。どこに自分が向かうのか、何をするのかまったくわからないなりに、まっすぐに向う気力と元気のようなものが少しずつ、得られてきた気がします。

 … 誕生日というのはよいもので、またおもしろいものだと思いました。いろんなかたからいただいたプレゼントは、できるだけ、この自分の誕生祝い?に持参して活用させていただきました。メッセージをくださったかたがたのことも、思い出させていただきながら映画館への道を歩き、しみじみとご縁をありがたく思いました。

 また、メッセージといえば、そんなに多くはないですが、誕生日にはあちこちから”お誕生日おめでとうございます”メールが届きました。たとえば、マイレージ会員である、JALとかANAとか。それぞれに楽しいオンラインおまけ?があって、楽しみました。生年月日という個人情報を自分はどんなところに発信していたかをチェックするよい機会になりました。

 これからまた、昔のようにまた映画や本を楽しむ生活にしていけたらと思っています。映画館でチラシをみたり予告編をみていますと、見たい映画、読みたい原作あれこれで♪…

 ちなみに、この映画。二回目からは、一回目の鑑賞券を見せると、1000円でまた鑑賞ができるとか。ふっと、もう一度味わってみたいシーンなどもあります。 味わい深い映画でした。

 

 

 

 

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【読書】火星のプリンセス

 SF小説を読むのも久しぶり。… というか、中学生時代はクラスメートの影響でいくらか読んだものの、大人になってからは自分の想像力欠如を痛感し、ほとんど手にとることがなくなってしまっていましたが、あるかたのおすすめで、”火星のプリンセス” エドガー・ライス・バローズ著を読みました。

 

 鉱山で財産を築いた男、ジョン・カーターが自分が死ぬ時に、残した回想録に書かれていたのが、若き頃、なぜか自分の体が神秘の惑星、バルスームにあり、そこで、部族間の衝突にまきこまれながら、ある種の英雄として身を立て、名をあげ、ある部族のプリンセスに恋をして… というストーリーで、別の星という異空間を舞台に、ロビンソン・クルーソーが、アパッチの戦闘の中で、お姫様をお守りする…という、本当に直球のお話でした。

 そしてそのお話を、当人のジョン・カーターが語る…というものなので、まさにヒーローの世界にぐんぐんひきこまれます。まさに王子さまのようなヒーローが乗る馬の後ろに一緒に乗っているかのような気分で(勝手に自分がプリンセス気分?) 最後まで気持ちよく読み終えました。(あの爆弾低気圧で止まっている新幹線車中での大きな救いになりました。)

 

 ああ、なるほど、SFってこういう世界だったのですね… と。

 実はこのところ、人生、いかにポジティブに元気に生きるかといったような言葉満載の本ばかり手にとっていたのですが、もしかしたら、そんな本十冊よりもこの、ジョン・カーターさんに手をとられて、見知らぬ星でサバイバルする恋物語を夢想するほうが、元気になるかも…。紹介くださったかたに感謝しています。

 文庫の帯によりますと、ウォルトディズニー生誕110周年記念作品 「ジョン・カーター」の原作だそうで。この映画は明日、4月13日(金曜日)から、全国で2D,3Dでロードショーとか。

 ”13日の金曜日”からのロードショーでも、ヒーローはきっとジェイソンとは違うはず。ディズニーが選ぶ、”まさにヒーロー!”ははたしてどんな俳優さんなのか…。本の帯の写真で見る限りは、少し私が本から感じた”王子様♪♪”とは違うキャラなのですが…。(ちなみに私がイメージしたのは竜馬伝の福山雅治さん的王子様です) スクリーンで動く王子様はまた違う印象になりそうな気もいたします。 

 季節も桜から、新緑にめぐろうとしています。

 ふーっと、まずは大きく深呼吸して(この物語の最後のほうでは、この深呼吸が、超贅沢行為になりますが) 顔をあげて歩くと、そこにはこんな王子様がいるかも?… 。

 元気にいきたいものです。

 

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桜人桜人京都(2)~哲学の道

 

 …日曜日。 所用の途中で、立ち寄ったのが、哲学の道です。 かねてよりその名前の響きにあこがれていたのですが、なかなかここを歩く機会がなくて、歩くことができたのはまさに今回が初めてで。

 アテンドしていたかたから、わずかの時間ながらそこに行きたいと言われたときは、思わず、心の中で、桜咲きまして、るん!。タクシーの運転手さんに”哲学の道へお願いします”とお伝えしました。

 ちょうど、直前にあるかたのブログでここのことを読んだばかりでもあり、多くの京都の名所の中でわずかの好きな時間にたまたまここに… ということが、本当に不思議な気がしました。

 

 ちょうど桜が美しく、たくさんの人、人、人…でした。

 

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 すごいと思ったのは、柵もない水路沿いの道に、たくさんの人がいながら、だれも落ちない?こと…。むしろ、柵がないからこそ、ある種の緊張感でこの道の秩序が保たれているのかもしれない?と思いました。

 

 

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 また、多くの人の流れの中で、とても一人で何かを思索する… ということは難しそうなはずなのに、なんだかそれでも、おだやかに過ぎる春の時の中で、これだけの人ごみの中で…と信じられないほどに、ふーっと自分の心にむかえて、その感覚が不思議なほどでした。

 

 桜は美しいですね。

 咲く時を知り、散る時を知り。

 あるひとつの時期の終わり、転機を、そのままに受け入れる力をもらえた気がしました。

 

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 うーん。思わず哲学?してしまいそうです。

 もう一か所、哲学してしまいそうになった場所の桜の写真を添えて、今回の京都話はこれにて。 桜満開。そして今はそのあとの新緑が待ち遠しいです。

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桜人桜人京都(1)~伏見稲荷

 週末、所用で京都にでかけておりました。

 ちょうど桜がとても美しいころ(4分咲き、5分咲き、7分咲き?)…でしたが、花冷えというのでしょうか。土曜日はとても肌寒く、季節がさまざまに交差していると感じました。

 

 2か月以上前に、この日程が決まったので、すぐにホテルの予約をしようとしたのですが、このところ京都に行くときに毎回利用していたホテルは、もうすでに満室で、そのほかもあれこれとあたってみたのですが、満室あるいは、特別価格(!)で、恐るべし桜のころの京都… と思いました。この部屋でこの価格?…と思いながらも、とにもかくにも京都駅直近に部屋をとれたのはラッキーだったかもしれません。

 土曜日に駅につくなり、たくさんの人にびっくりしました。 この日のメインは、とある仕事がらみで伏見稲荷に行くことで、京都のかたに案内していただいきました。初対面のかたながら、いろいろとお話をうかがうこともでき、興味深い時間でした。

 

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 吸い込まれそうな朱の道。鳥居をたくさんくぐりながら、山頂まで行きました。もっとおどろおどろしい?ところかと想像していたのですが、登っていくにつれて、山のフレッシュな気?が気持ちをクリアにしてくれ、とても気持ちがよい時間でした。

 

 

 伏見稲荷は、どんどん登っていくにつれて、人が少なくなっていき、外国人観光客のかたの比率がどんどんあがっていきました。山頂のころには、半分くらい外国人のかただったと思います。ふみゅと思いました。  

 こちらにでかける直前に、”京都トレイル”という、京都の山々の稜線?を歩いてまわるコースがあると知ったのですが、ここはその中のあるコースの起点?でもあるようでした。とても興味深いコースで、もしももしも機会があれば、少しずつでも歩いてみたいと思いました。案内してくださった京都のかたは、ほかのところからうつってこられて3年。単身赴任ということもあり、休日は京都の山々を登られたり、このコースをめぐられているとのことでうらやましく思いました。

 

 

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 伏見の山は、お狐さんがいっぱい! 山の茶店?のメニューもまさに直球メニューでした。

 

 

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 山頂までのぼりつめたところで、そこにあったおみじくをひきますと、生まれてはじめての”吉凶未分 末大吉”…。不思議なものをひいてしまいましたが、要は頑張ればよいことがあり、頑張らなければよいことはない…ということなのでしょう。これまでであったおみくじのなかで、一番自分としては納得がいく?、気持ちがひきしまるものでした。

 コンコン。

 

 

 

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春の嵐

 

 新年度初のぼそぼそです。

 新年度早々、台風、ハリケーン、モンスーン…と吹き荒れるような日々で、ようやく今日、台風の眼に入ったかも?と思っています。

 

 4月1日~3日は、所用で東京にでかけていたのですが、メインの2日は、用件がうまくいかなくてとても落ち込んでの帰路、渋谷駅までいくとJR山手線は事故で止まってしまっていて、東京に慣れない田舎者は、さて、いかにホテルまで戻ろうかな…と。幸い、地下鉄を乗り継いで、思ったよりも楽に戻れました。が、それは本物の嵐のほんの前兆。

 

 翌朝、約束の時間前に、ちょっとだけ、回り道をして、一か所、桜と建物がおもしろいと薦められた場所にでかけていたその時、携帯にメールが入り、搭乗予定の午後のフライトがキャンセルになったと…。

 途中の駅で電車を降りて、手続き用の電話番号にいくら電話しても、まるでコンサートのチケットをとるときのように、ちっともかかりません。…朝の予定を途中で切り上げさせてもらって、空港に行き、あれこれ悩んで、結局新幹線で九州まで戻ることにしたのですが、とりあえず品川を出てほっとしたのもつかのま…。山陽新幹線ではあちこちで止まってしまうようで…。新大阪駅で、約4時間停車したり、博多までのはずの新幹線が広島どまりになり、そこで乗り換えたりで、結局、品川から、11時間近くの新幹線の旅となりました。とほほほ…。(ちなみに、これは一泊東京でのんびりしなさいという天の声かしら?とも一瞬思い宿泊していたホテルの延泊なども考えたのですが、あたったところはどこも満室でした…。次の日の昼までに戻れば…とも思ったのですが、あの夜、東京にいても結局交通機関も麻痺していてどうしようもなかったでしょうね。) 

 さらに、4日、5日は、桜の下でもしかめっ面?の難しい話満載の日で、別の嵐がふきました。明日、明後日はまた吹き戻しの風があるかもしれませんが、できるだけ穏やかに桜の時がすぎますように…と願うばかりです。

 

 4月1日の午後は、東京で少しだけおのぼりさんタイムをすごせました。おすすめいただいた根津、谷中あたりと、新橋あたりにでかけ、その後、3日の出発前にもし時間があれば…と思っていたレインボーブリッジを歩いてわたる計画のための下見?に、レインボーブリッジに昇るだけ昇ってみました。その写真を添えます。

 

 

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 なんだか、とても風情のある、夕焼けだんだん…と呼ばれるところです。

 

 

 

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 … いろんな人が、おせんべいやら、メンチカツやらを手にして食べながら歩いておられたので、ではでは私も…と。お店の前には、有名なかたの写真とかサインがいっぱい。かざらない素朴な街でした。おせんべいやさんで、ざらめのおせんべいも買い、それもポリポリしました。

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 レインボーブリッジの人道は車道の横にあって、夜景を見ながら歩く(+)と騒音と排気ガス(-)の足し算引き算は微妙なところでした。結局今回は、時間がありませんでしたが、でもいつか…と、思います。橋の上で、写真を撮っていた見知らぬかたとなぜか思わず笑顔をかわしたりしたりもし、その微妙さを共有?できたような気持にもなりました。 

 …今にして思えば…なのですが、メンタルな嵐の吹いた2日、本当に春の嵐となった3日をひかえての、まさに嵐の前の静けさ…のような日でした。

 … 天候不良でフライトがキャンセルになったチケットは、払い戻しという方法以外にも1か月以内の予約変更もできるということですが、東京からの片道切符だけを手にしていても…と、ふみゅと考えてしまっております。

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