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2011年11月

欧の細道? <椿姫鑑賞>

 しばらくご無沙汰でした。所用ででかけておりました。今回のメインの滞在先は、ドイツで、ドレスデンに滞在し、そこから、フライベルグ、ライプチヒなどを訪れました。

 ドイツには、以前、ある視察旅行で、フランクフルト~ハイデルベルグ~フライブルグ(今回訪れた”フライベルグ”とは別の街)で訪れたことがあるのですが、個人でうろうろ…というのは今回が初めてで、団体で行くのとは違う緊張感と自由さの中で、感じることが多い、またさまざまな幸運にめぐまれた時間でした。

 

 まだ戻ったばかりで、情報の整理もできていないので、どれくらいこちらに何を書けるかわからないのですが、ドイツの前に寄ったスウェーデンで見た、オペラ”椿姫”のことだけ少し。

 

 今回は、想定外に、自分の時間がいっぱいできてしまったので、これまで経験することがなかったことを…と思い、オペラのチケットを探してみました。すると、ちょうど王立オペラ劇場(ストックホルム)で、「椿姫」がある…ことを知り、先日、こちらで、悪女の本のお話で書いたばかりの、昔からなじみのある話であるだけに、言葉がわからなくても楽しめるかもと思い、でかけました。

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 チケットは、インターネットで購入できるのですが、私が思い立ったときにはもうほとんど残席はなく、3階席でした。が、それぞれの席からどう見えるかまでちゃんとネットで確認でき、とりあえずちゃんと見える席がとれたのはなによりでした。

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(開場してまなしに、ストロボなしで撮ったものです。)

 有名な”椿姫”を現代風に書き直した作品ということで、なるほど…でありましたが違和感なく、楽しめました。むしろ、現代の手法を使うと、こんなふうに舞台を表現できるのかと、感じ入りました。言葉はイタリア語。字幕はスウェーデン語。ともにさっぱりわからないのですが、それでもよく知ったストーリーなので、想像はできます。

 

 特に後半は、おもいのほか惹きこまれ、終演後は、会場からかなりの拍手が、しかも長く続いていましたので、”よくわからないなりに、きっとよいできだったのだろう”と他力で判断した次第です。

 この”現代版椿姫”… この日が初演ということで、劇場もいっぱいでした。前日のあるパーティであった二組のご夫婦が、ともに、”明日は椿姫に行く”と言われいて、”あら、私もです”と申し上げたような感じでしたので、きっと地元でも評判?だったのかもしれません。

 

 かなり現代的な演出?もあり、オペラは、こんなふうに時代とともに変えていけるのだ…ということをおもしろく見ることもできました。寒く暗い北欧の冬。きっと、こんなさまざまな鑑賞の時間が人々の心の中のうるおいになっていくのでしょう。チケット価格も、とてもお手頃でした。

 

 また、今回の旅では、あいかわらず、何度も道に迷いました。でも、”ここはどこ?”状態になりながらも、あちこち歩いている中で、いろいろと自分の人生のこと、生き方のことを考えました。なんとなく、人生を旅にたとえた芭蕉ら、先人の心がわかる気持ちになりました。

 一人旅と同様に、人生も基本は一人。道に迷ったら、自分でてさぐりで地図を見ながら歩くか、誰かにきくか、それでもわからなくても結局は自分でなんとかするしかなくて。その”ひとり感”が凝集されるのが、見知らぬところへの旅なのかもと思いました。

 でも、その一方で、旅の中で、何か感じたこと、思ったことを伝えたい!と思える人がいて、それができることを幸せと感じました。芭蕉が句を書いたのもそれだから?…と自分と同じレベルにしてはいけないのですが。

 

 それにしても、今月の携帯パケットの請求は大変そう。ホテルからのインターネットアクセス代の高さにあきれたり(ドイツ)しましたが、友人にメールを送りながら、誰かとつながることの幸せも感じました。

 …しかし、携帯電話のカメラ機能が壊れてしまったようで、途中から、いわゆる写メが送れなくなりました。買い替えないといけないのかな…。とほほです。

 

 とにもかくにも、日々、いっぱい歩きました。

 

 

 

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【映画】シングルマン

 … 朝夕、冷え込みも感じ始め、ようやく秋めいてきた気がします。大好きな季節がようやくやってきた…と感じ、「ふーっ、さむい…」と言いながら、心がごきげん?になっていくのを感じます。

 

 静かに一人でいろいろと考える季節…それが秋かもしれません。

 そして、まさにそんな秋のような映画を見ました。「シングルマン」という、コリン・ファースさん主演の映画です。最愛の人を突然の事故で失った男性コリン・ファースさんが、その喪失の日々から立ち直れず、とうとう自分で自分の人生を閉じよう…とするその一日を、過去の映像を交えながら、描いていくお話です。

 

 最愛の人… というのが、同性であったために、主人公は、また周囲からのさまざまな視線、言葉にさらされます。ただ、この映画では、同性同士が云々…というのではなくて、”愛する人”という意味で、同性異性を超えたものを感じ、設定を、周囲から違う目でみられる同性同士のことにすることで、孤独をより一層伝える効果があると感じました。とても美しい映画ですので、どういうお考えのかたでも、この映画は、”一人の人間の孤独”を扱うものとして鑑賞されうると思います。

 

 愛する人が突然いなくなってしまうとはどういうことなのか。 静かな映像ですが、心がえぐられるような悲しみを感じずにはいられません。

 また、生きるに辛すぎる人生であっても、その人生を終えるという目でみると、いろいろなことがこれまでとは違った目で見えてくる…。それが、日ごろかけない”ありがとう”という言葉であったり、自分の本音の吐露であったり…。

 

 たとえば冷蔵庫の中のパン…にいたるようなところまで、細部にいきわたった配慮があり、また音楽を含めて、とにかく、美しい… 作品でした。

 

 わたしは、とりわけ、この映画の中のコリン・ファースさんに惹きつけられました。最近、すっかり、みーはー心をなくして、映画の中の誰にもときめきをもてない… とつい先日、ある知人に話したばかりでしたが、コリン・ファースさんは本当に素敵です。今日は、”え?ティム・ロビンズさん?”と見間違うかのような表情も見ました。…似ていません? この二人…?

 

 ”英国王のスピーチ”でのコリン・ファースさんも好きでしたが、この作品のほうがさらに一段と素敵だと思いました。

 ”ラブ・アクチュアリー””恋におちたシェークスピア”ほか、これまでに出演されている作品も、また見直して、そのほかの作品もひさびさに”おっかけ”をしてみたくなりました。(おっかけ…もちろん、出演作でのことで。過去に、ティム・ロビンズさん、ゲーリー・シニーズさん、サム・ニールさん、スコット・グレンさんなどのおっかけをしました…)

 

 この映画を見ることになったのは、ほんの偶然からです。ほかの映画のDVDをレンタルしたつもりが、なぜかこれが入っていて?、?????と。でも、この映画にめぐりあえて、この映画の中のコリン・ファースさんを見ることができて、本当によかったです。

 縁とは本当に不思議なもので。

 いろいろなかたとの出会い、作品との出会い… 感謝しながらの秋です。

 

 

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