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2011年10月

【読書】バッハ=魂のエヴァンゲリスト

 子どものころからバッハが好きでした。 いろいろな音楽が好きですが、それでも、もしも無人島にひとつだけ、好きなCDをもっていっていいよと言われたら、迷わずにバッハのCDを持っていきます(どの曲を持っていくかは悩みどころですが…)。

 特に自分が、心の疲れを感じたときや、考え事をしたいときに戻る原点?というのが、私の場合はバッハです。

 何故好きなのかと問われても、”神様がバッハの手を借りて地上に聴かされたとしか思えないほどに、人の手ではありえないような音の重なりがあるから”とか、”とてもロジカルに感じるから”とか…しか言えなくて、うまく語れなかったのですが、その”自分がバッハが好きの理由”が見事に示されている本に出会いました。

 「バッハ=魂のエヴァンゲリスト」 磯山雅氏著です。

 バッハの伝記の大人版(少年少女向けの伝記を、大昔、よく読んでいましたが、大人になってから伝記というのを読むこと自体、バッハに限らずなくなった気がします。)を探していて、この本に巡り合いましたが、自分自身の”好き!”の理由を、この本の冒頭の”はじめに”のところから、言葉で表現されていて、びっくりしました。

 自分の心の中で整理されていなかった想いを、こんなにもみごとにほかのかたの言葉で整理できるなんて…と。

 そして、その想いは、本文を読み進めていくうえで、より鮮明になっていきました。

 帯に書いてある言葉をそのまま書かせていただきます。(これが”はじめに”に書かれていた言葉です)

 ”人間の小ささ、人生のむなしさをバッハはわれわれ以上によく知っているが、だからといってバッハは人間に絶望するのではなく、現実を超えてより良いものをめざそうとする人間の可能性への信頼を、音楽に盛り込んだ。その意味で、バッハの音楽は、切実であると同時にきわめて楽天的でもある。バッハの音楽を聴くとき、われわれは、人間の中にもそうした可能性があることを教えられて、幸せになるのである。”

 

 … バッハの音楽にあるのは、”肯定”と、人間性への信頼。きわめてポジティブに前を向き続ける力。 

 だから… だから… 救われてきたのだと、自分の”バッハが好き!”の理由が明確になり、そしてより、心酔できるようになりました。

 バッハの曲のすべてを知っているわけではなく、むしろとても限定的であるため、この本で書かれている多くの曲の解説では、なじみのないところなどもいろいろありましたが、そんなページはぴゅんぴゅん飛ばして、なお、バッハの生涯を知る中で、バッハの音楽に納得することができました。また、バッハの人物像を知るにつれて、なぜあんな曲が作曲できたのかもわかってきました。

 バッハが好きなかたにはおすすめです。また、この少しだけでもバッハを聴かれて心惹かれたかたが、この本を手にされると、もう少しほかの曲も…と思われるのではないかと思います。

 小さいころ、昼間私の子守?は、小さなプレーヤーでした。

 箱のふたをあけてレコードをおいて、自分で針を動かしてスタートしたいところにおくと音が流れはじめるというもので、そのプレーヤーで聴いていたのが、バッハの生涯を、彼の音楽をバックに語るナレーションもののレコードでした。それには、ナレーションと同じことが書かれている説明書きがついていました。

 親がバッハ好きだったわけではなくて、いまだになぜそのレコードがあったのかわからないのですが、毎日毎日、ずーっとそればかり一人で聴いて、その説明書を眺めているうちに、少しずつそのお話を覚え、曲にもなじんでいきました。

 4歳や5歳のころに、人生云々と考えていたわけでもないでしょう。好き! の理由を考える年でもなかったでしょう。でも、そんな子どもの心にも、バッハの曲は響き、そして、この年になって、ようやく、その理由?にたどりつきました。

 ”好き”に理由はいらないのかもしれませんが、それでも”好き”の理由が自分でわかると、妙に心のすわりがよくなる気がします。

 ずーっと昔、学生のころ、ある人から、”あなたは、恋をして、人を好きになったときでも、なぜその人を好きになってしまったかの理由を明確にしたがるタイプでしょう”と言われた言葉が、この本を読んでいるときに突然思い出されました。本を読みながら、バッハが好きな理由がわかっていくことがとても嬉しいと感じている今の自分とつながり、苦笑いしてしまいました。

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風の違い

 

 お誘いをいただきまして、瀬木貴将さん(サンポーニャ&ケーナ)と佐山雅弘さん(ピアノ)のコンサートにでかけました。

 

 ~風の便り、草原の響き、街角の息吹~と題しまして、前半は、草原にも男女の間にも吹く風を、詩の朗読などと音楽で表現するというものでした。

 後半は、純粋な?コンサートで。

 瀬木氏の音楽は、以前にテープを送ってくださったかたがおいでで、ずっと記憶にあり、期待どおりに素敵な音楽でした。

 そして、びっくりしたのは、佐山氏のピアノです。すごくいきいきとされていてエネルギッシュで、かといって、不必要に他を邪魔することもなく。

 迫力のある演奏を拝見していて、元気をいただきました。

 

 こんなふうに過ぎる秋もいいなぁ…と、あれこれあった一日の最後には幸せ気分になれました。

 

 佐山氏のソロコンサートなどもまた機会があればぜひいってみたいですね…。

 

 

 

 ちなみに、前半の”男女”の間に吹く風のおはなしは、なんだか女性のキャラ?が自分と違っていて、自分と、もしも誰かの間に吹く風としたら…この風とは違いそう… と思い、あまりなじめませんでした。

 こういう時に設定される状況というのは、最大公約数的なキャラで、極力一般的なパターンなのだろうかと思いながら見ていますと、それからの乖離度が大きい自分のキャラや、好きな距離感(同性、異性問わずの距離感)の違いを思い、やっぱり、”あーた、変”と言われ続けてもしかたないのかなと思いました。

 

 風にも種類があるのでしょう。 自分が好きな風。ちょっと苦手な風。

 

 自分が好きな風?は、湿度が低い、暴風注意報(警報?)くらいの風。

 ちょっと苦手な風は、生暖かく、凪に近い風。

 

 夜風にあたりながらの帰路にそんなことを考えました。でも、本当によい時間でした。誘っていただけてよかったです。

 

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【DVD】コンサートフォージョージ

 今、少しずつ、見ているのが、ジョージ・ハリスン氏の1周忌に行われたトリビュート・コンサートの模様です。ビートルズの4人の中で、昔から一番心に響いたのがジョージ・ハリスン氏(以下、敬意をこめてジョージと書きます。)で、そんなことをご存じのあるかたのおかげで、見せていただいています。

 

 とにかく、驚くことばかりです。その驚きを言葉にするのが難しいのですが、

 冒頭に示されているジョージの生前の精神世界。そしてそれをきちんと尊重している様子。彼のために集まった多くの友人らの示す真摯なジョージへの敬意と哀悼。そして、このコンサートが誰のためにあるのかをきちんとつらぬいた親友エリック・プラクトン氏の信念と熱く厚い想い。

 

 また、ステージの上に、ジョージが… と思い、びっくりしましたら、ご子息でした。

 以前、クィーンのフレディ・マーキュリーさんのトリビュートコンサートのDVDで、そのコンサートにあたかも生前のマーキュリーさんが参加しているような編集がされていて、びっくりしたのですが、まさかこれも?と思ったら、若き日のジョージにそっくりの息子さんで。

 深いため息(落胆ではなくて。なんというのでしょう…)がでました。

 

 ちょっと周囲で、あるかたのトリビュートのことでいろいろなことが聞こえてきていて、いったい、誰のためにしようとしているのかな… と思うようなところがあったりで、正直、ふーみゅとなっていました。

 また、テレビで、人間の死に対することとしてうーん… となるようなニュースも見たりして、いろいろともの思わずにはいられない秋なだけに、こんなふうに、心のこもった、敬意と友情と寂寥と、残された家族のかたなどに対する思いやりで過ぎていく様子に心あらわれるようでした。

 

 この時、この場で、この時間を共有できた観客のみなさんは、どれだけあたたかな気持ちになられたか…。故人の最高の見送り方を見た気がしました。

 

 いろいろな音楽が好きですが、やはりビートルズ、そしてバッハは、自分の原点です。(今、バッハに関する本を読んでいるところで、そのお話もまたあらためまして。) それを再認識できる秋が、思いがけずこのコンサート映像と、そしてバッハの本から同時進行で心に飛び込んできています。

 ウォークマンを聴きながら、文字通りウォークしながら、ものおもふ?秋です。このDVDを見せてくださったかたに心から感謝しています。

 

 

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【映画】月のひつじ

 

 … 最近は、初見のDVDを見るのがなんとなくしんどくて、いろいろといただいているDVDもまだ見ていないものが多くて申し訳ない限りです。頭に新しい情報を入れられない…なんだかなさけない状態です。

 が、今日は久々にレンタルしてきて、リハビリ?を少しずつ…と思いました。”ツーリスト”…というジョニー・デップさん主演の映画を見ました。このDVDを借りた理由は、ひとつ。”ツーリスト”というタイトルに興味をもったからです。

 

 …が、映画は、うーん… うーん… うーん…。でした。

 どうも、しばらくレンタル屋さんに行っていないと、選択センサーまで錆びついてしまったようで。いろいろな場面での不整合がいろいろが気になり、また、ジョニー・ディップさんも海賊のほうが素敵で、さらに舞台となるベニスも、ほかの映画で描かれているものに比べて、なんだかぺったんで…。

 それで、手元にある特選?お気に入り映画の中のものを見て、気分転換しております。

 ”タイトル”と映画の内容の乖離度の大きいもので、大好きな映画がありまして、先ほどから見ております。 ”月のひつじ”という映画です。

 これは、空気がないはずの月に、実はNASAがこっそり地球から見えない面に秘密基地をつくり、全天候型ドームの中でひつじをかい、日本などにみられる、”月にはうさぎがいる”という伝説をくつがえそうと目論む!

 …というようなストーリーではなくて、人類が初めて月に降り立ったときのテレビ中継を担当することになってしまった、オーストラリアの大草原の中の大きなパラボラアンテナ基地の人たちの物語です。

 

 ある意味で地味な映画ですが、なんだかほっとします。

 

 サム・ニールさんが主演なのですが、本当にいい味をだしていて、ああ、こんなかたと、ゆっくり紅茶を飲めたら…。あたたかなひつじさんを感じるようなメリノウールのカーディガンを着て… などと思わずにはいられません。

 

 秋の高く青い空にもつながる一作です。

 

 なんとなく、喧噪に疲れたかtおすすめします。

 

 

 よくお邪魔するブログさんで、最近流行?の年の差婚のおはなしから、”大人”について書かれておられたのを読みました。私の中での”大人の男性”のイメージは、この映画ほかでみるサム・ニールさんのイメージです。

 テレビドラマ”ケインとアベル”、映画”レッドオクトーバーを追え!”…など、本当にこのかかたの味わいには惹かれます。

 

 … 年の差 …。 昔も今も素敵なサムニールさんを見て、ふっと考え込んでしまっています…。 映画俳優さんと自分の年の差を考えると変ですね。

 ある作品の中での俳優さんは、あたりまえながらいつも同じ年齢で固定されていて、自分だけが年を重ねてしまうのですから。 年が近づいたり、あるいは追い越したり。

 

 だんだんと自分が年を重ねるたびに、年齢差というものが気にならなくなり、また、その気にならない”レンジ”が、若いころよりも広がった気がします。

 

 ちなみに、この映画の中の、老後用にメイキャップされたサムニールさん…は、少し不自然…です。

… なにごとも自然体がいいなぁ と思います。

 

 

 

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【読書】子供より古書が大事と思いたい

 数日前、悪女の本のことを書きましたが、その本に出会うもととなった探し本が、同じ作者(鹿島茂氏)の”子供より古書が大事と思いたい” でした。

 

 これは、作者の壮絶な?古書収集人生を描いた本です。何かを一生懸命収集している人の多くは、きっとこの本を読んで共感されると思います。

 

 入荷情報、オークション情報が四六時中意識から離れず、資金は借金をしてまで…。収集物は、まさに中毒症状…のようなものなのかもしれません。(表現に問題がありましたらすみません)

 古書だけではないでしょう。きっと。古レコード、切手、貨幣、紙幣、テレカ、各種レアグッズ、ビンテージカー、ワイン、香水、えとせとら…。 

 ”子供より○○が大事と思いたい”… の○○になにか収集物が入る方… おられるかもです。ヨーロッパの古書についての知識やオークションのことだけでなく、そういう”収集人生”もストレートに伝わってくる本です。心当たりのあるかたは、ぜひご一読ください。

 ちなみに、改訂版が出ていますが、私はあえて古書店?で古い本を買いました。

 

 

 

 

 … 私は、10代のころに集めていたものが、キーホルダーとトランプです。どこかに旅行に行ったとき、一番小さくてコレクションできるからと思いました。一か所ひとつですと、比較的お金もかかりませんし…。

 でも、鍵なんてそういっぱいあるわけでなく、あんなにたくさんのキーホルダー。どうしましょう…。

 親が集めていた切手やコインや紙幣は、親から譲られて、そのまま箱にしまいこんでいるままです。いつかなんとかしないといけないのですが…。もう、とっくの昔にユーロに切り替わって、中央銀行でも変えてもらえないような昔のフランとかマルクとかあるはずです。

 また、あるかたからのプレゼントで、記念切手とその解説のシートをずーっともらっています。ものすごくたまりました。が、ほかの国の切手です。いったいどうやって使えというの… と思いながら、NOもいえずありがたく…。

 私の手元にはそんなコレクションといえないようなものばかりしかありませんし、懸賞で当たった、非売品コレクションなども昔はしていましたが、今は何もコレクションしていません。旅先でついゲットしてしまうパンフ類、チケット類などをどうしようと今、思っているくらいです。

 

 何もほしいものがない…というのはとても寂しいことと感じていましたが、この本を読むと、このおだやかな人生?もまたよしかも?と思ってしまいます。

 

 うーん。

 

 秋の断捨離?で、昔のコレクションほかも、じーっとみています。旅先の思い出があるだけに捨てるに捨てれず、でもこんなもの、誰が買う?というもので・・・・。

 

 自分の人生で抱え込めるモノは、結局なにもなく、いわゆるお墓までもっていけるのは、思い出だけかもしれません…。

 

 うーん。モノ想う秋であります…。

 

 

 

 

 

 

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【読書】あなたは誰?私はここにいる

 姜尚中さんの「あなたは誰? 私はここにいる」・・・を読みました。

 

 初夏に、ご講演を聴く機会があり、その時のお話にかなり魅了され、特にそのお話の中での文学、美術から、人の生き方につながっていくお話が印象に残り、書店でこの本をみかけたときに、ふっとそのまま手にとりました。

 

 古今東西の絵を題材にして、その絵の解説・・・をしているわけではなく、そこから、自己との向き合いを語っていく本で、目次だけさらっとみますと、さながら”美術鑑賞入門”なのですが、そんなふうにみせかけて、実は・・・ という本・・・ でした。

 といいましても、書名に何一つ美術云々とでてこないので、”みせかけた”わけではないのでしょう。 それでも、美術作品の鑑賞の手引きのようなものと同時に、心の整理の道しるべになる内容は、これまた一粒で二度おいしい(このブログでの前の読書記録にもそう書いています。)本でした。

 

 美術に興味があるかたはもちろんですが、そうでないかたにもおすすめしたい一冊です。感想を書くのは難しいのですが、ご講演の時にも語られたことと同様で、まさに、”今””ここに”生きることがストレートに心に響く本でした。

 美術館に行ったとき、どんなふうに過ごされておいででしょう?

 私は、ふらーっとひとりで、まわりながら、はっと目をひかれた絵をじーっとみて、またふらーっと歩き、時々、椅子にすわってぼーっと部屋全体を眺めたりして、ひととおり見て、最後にまた、”もう一度みたい!”と思った絵をひとつずつみてまわり、おしまいにします。

 有名な絵だからどうの・・・というのはなくて、ただただ、自分の心にぴぴっときたものと向きあう時間です。

 それだけに、混み合っている美術館や展覧会というのは苦手です。

 絵の好みというのは、本当にひとそれぞれだと思いますので、誰かとまわるのも苦手で、あくまで一人・・・。もっとも、たまにおつきあいで誰かと行っても、静かな美術館の中では、感想を述べ合うようなこともないので、その点はいいですね。ただ、立ち止まるところ、動く速さがそれぞれなので、やはり、いつでもひとり・・・ が好きです。

 

 この本で作者のかたも書かれておいでですが、

 ”一人の人間、一つの出来事、一冊の本、そして一枚の絵が、人生に計り知れない影響を与えることがあります。” (中略)”何の予告もなく突然、目の前に姿を現し、そしていきなりわたしを叩きのめすほどの衝撃を与えたのです。”…

 

 まさにそんな出会いが人生に時に訪れるものだと思います。

 自分の中でのそんな出会いを、これを書きながらしみじみと思い浮かべています。

 

 「わたしはここにいる、おまえはどこに立っているのだ」と、ある画家の自画像に問いかけられた気がしたという作者ほどには強烈でないにしても・・・。

 そして、芸術作品だけではなく、自分の人生を大きく変えた人との出会い、忘れられない出来事・・・ そんなことが読後、ずーっと心に去来し続けています。あの一瞬!・・・。

 

 そんな自分の出会いをふりかえられる貴重な本でした。なんだか、自分の中で、納得できそうな秋が始まっています。

 私はここにいます。

 

 

 

 

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【読書】悪女入門

 

 男性にとって、破滅を招く女とはどういう女性なのでしょう…。

 ”ファム・ファタル恋愛論”とタイトルに添えられた本を読みました。ファム・ファタルという言葉すら聞いたのははじめてだったのですが、フランス語で、

 ”恋心を感じた男を破滅させるために、運命が送り届けてきたかのような魅力をもつ女性”という意味だそうです。

 

 ”悪女入門”というタイトルは、なんとも少々物騒?に感じますが、この本は、フランス文学なるものを、”男性を破滅させた女性”と”その男性”ということを切り口に紹介しているおもしろい本でした。

 フランス語も、フランス文学にも、とんと縁がないのですが、この本では次のような文学作品を実にわかりやすく、いきいきと紹介されています。

 

 ”マノン・レスコー””カルメン””フレデリックとベルヌレット””従妹ベット””椿姫””サランボー””彼方””ナナ””スワンの恋””ナジャ””マダム・アドワルダ”

 

 …この中で、以前よく読んでいた本が”椿姫”で、その書中本ということで知っているのが”マノンレスコー”。なんとなくストーリーは覚えている…程度に読んだのが”カルメン”という程度でそれ以外の本は全く知りませんでした。思わず今度はそのもとの本を読んでみようと、何冊ものところで思いました。

 

 単にストーリーを紹介しているのではなくて、主人公である”男を破滅させる女”と、”破滅していく男”の心のひだが、非常にテンポよいタッチの中で、語られていき、思わず一冊、手元から離せず、読み終わってしまいました。

 

 この本に出会ったのは、あるかたから、この本の作者、鹿島茂氏の別の著作のことを、ぜひにと紹介されたのがきっかけで、その本を探しているときに、ちょうどこの前こちらに、電車の中でポロポロ泣く女性を歌った、中島みゆきさんの歌”悪女”のことを書いたばかりでもあり、ふたつがぴぴぴとつながって手にしたのですが、久々に、目から鱗というか、とても興味深い本にであったと思いました。

 

 いやぁ… でもすごいです。

 

 この本の作者は大学の文学部の教授で、大学で教え子として出会う”ゴレンジャー・ガール”(子供のころ、男の子の中で一緒にレンジャーごっこをするようなタイプの女の子)が、100%女である女の子”ウッフンガール”あるいは、”スーパー・ウッフンガール”に変身?するための学習を、フランス文学をもとに行うという一粒で二度おいしい?本を目指して書かれている… というようなことを最後に書かれていました。

 ”ゴレンジャーガール””ウッフンガール”という表現といい、ほかにも、文中何度も、くすくすほぉ…となってしまう著者の視点と、視線の先がとても面白かったです。

 

 女性のかたにも… ですが、私はこれは男性のかたに読んでみていただきたいなぁと思いました。… できれば、この本の感想を本音で話してみることができたら… と思ったかたが、浮かぶのですが、いまだに”ゴレンジャーガール”から成長できない私では…。

 

 自分が破滅してしまうとわかりながら、その道から離れられずに破滅していく男性… 

 男性のかたって、そんなふうに女性にのめりこんでしまえるのでしょうか…

 理性的に、抑制心をもって、堅実に生きておられる紳士諸氏が、もしも、もしも人生を変えるとしたら、何がそこまでのトリガーになりうるのか…。もしかしたら、そういう人生から変わってしまえば、不思議なほどにまた違う、悪いとばかりはいえない人生になるのかもしれません。

 それに対して、この本で描かれている、ファム・ファタム… 男を破滅させる女性たちには、幸せに薄い気がしてしかたありませんでした。

 

 ”悪女入門”… というタイトルは、この本にはあっていない気がします。もっと別のタイトルですよね…。 などと、読後感を、ぼそぼそと、どなたかと語り合ってみたい! …と思わずにいられませんでした。

 

 自分自身が女性なので、女性が”恋におちる”とか”誰かを愛する”というのはイメージできるのですが、その一方で、男性も”恋におちる”ということが本当にあるの?というのは、自分の中での永遠の疑問です。だから、この破滅にむかう道というのも、本当に恋によるものなのかなと。

 

 なんだか久々に、秋らしい文学の香りを、ほんのさわりだけですが、感じとり、この秋の深まりに期待したくなっております。

 

 

 

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リンネの古書より

先日、カール・フォン・リンネ関係の古書を収集されているかたに見せていただいた、ある本のページです。ヨーロッパの古書の透かしについてのお話の中で見せていただいたページです。

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 ちょっと文字が見にくいので、こちらに書きます。

"Rags make paper,

 paper makes money,

 money makes banks,

 banks make oans,

  loans make beggars,

 beggars make rags"

 これもまたりんねだなぁ…と。

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”夢”追い人のコンサート?

 最近、なぜか、夢について周囲で話題になることが多くて、”夢は何ですか?”ときかれたりもするのですが、そのたびにお返事に窮しています。

 といいますのも、夢がない…のが、今の悩みだからです。 子どものころでしたら、”パイロットになりたい!”というような夢がちゃんとあったのですが、今は本当に何もおもいつきません。

 

 しかも長期的な夢?ばかりでなく、短期的な夢?にも縁がなく、いつも爆睡して、夢をみることもありません。(少なくとも覚えていません…)先日の東京からの帰りのフライトでは、離陸前から爆睡し、目が覚めたのはランディングの時。電車と違って乗り過ごしがないひこーきは、なんと素晴らしい乗り物か… と思いました。

 

 …そんなこんなの中、今宵はふっと、自分が好きな、”夢”にかかわる曲を聴いてみようかとおもいたち、しばし、YouTubeにはまっておりました。

 

 一番最初に聴いたのが、GARNET CRAWの”夢みたあとで” です。

http://www.youtube.com/watch?v=FOhxayRzybU&feature=related

 GARNET CRAWは、大好きなユニットで、特に4人中2人の女性陣のキャラにも惹かれています。

 

 次に、思い出したのが岡村孝子さんの”夢をあきらめないで”。

http://www.youtube.com/watch?v=PW_kP5uwp7A&feature=related

 この曲は、プレゼントしたくなる曲です。

 

 それから、あれこれと聴いていきまして、たどりついたのが、米米クラブの”浪漫飛行”です。元気になるならばなんといってもこの曲♪でしょう。

 http://www.youtube.com/watch?v=I3mZF53_WzE&feature=related

 

 そうだ…。自分にもし今何か夢があるとしたら、”トランクひとつだけで”一人で旅がしたい。それだなぁと。

 

 さらに、あれこれ聴いていますうちに、もしや… と検索していて、自分の中での幻の一曲を見つけました。

 第25回ポプコン本選会で優秀賞を受賞された松江川哲宏さんというかたの”航海誌~夢追い人のレクイエム”です。

 http://www.youtube.com/watch?v=Wgg2_-bDQxA&feature=related

 

 すごい。まさか、こんな映像まで見ることができるなんて…。(上記のものの最後に入っている曲です) こんなかたが、こんなふうに歌われていたのだ…と、感激でした。そして、今、このかたはどうされているのだろうかと考えずにはいられませんでした。

 

 思わず、一人でひたった懐メロコンサート…。もしよろしければ、上記のもの、ヘッドホンで聴かれてください。私の大好きな、おすすめの曲ばかりですので。

 

 

 … 今日は、ある研究者のかたの研究室をおたずねして、そのかたの研究のお話や、生涯をかけて集められた文献のお話などをうかがうことができました。 ほんの30分でもお話をうかがえたらラッキーだと思いアポをとったのですが、なんとお話は2時間半に。贅沢で豊かな時間をいただきました。

 ふとみますと、PCの横のマウスパットがビートルズのアビーロードのもの。(4人が並んで歩いているあの…) 「もしかして、ビートルズがお好きなのですか?」とうかがうと、なんでも、英国オリジナルのシングル(LPでなく)を入手して、ご自宅では、音響機器全部をイギリス製のものにして、聴いてみておられる…ということで。

 これから先の人生の夢を語られるご様子に惹きこまれました。 夢はいいものですね。

 やぶれてしまうこと、消えてしまうことを、恐れないで、起きている間に(!)しっかり夢をみる勇気を持ちたくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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