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2011年8月

【読書】林住期

 以前から気になっていた本をやっと手にとりました。五木寛之氏箸の「林住期」です。

 ヒンドゥ教の人々は、人生を「学生期」(学ぶとき)、「家住期」(家庭を作り、働くとき)、そして、「林住期」「遊行期」の4つにわけて考えています。

 「林住期」というのは、今の平均寿命から計算すると、だいたい50歳くらいからの25年間だと著者は言います。それは、自己本来の人生に向き合うときであり、人生の黄金期ではないかと。年齢はあくまでも単なる目安にしかすぎず、要はそれぞれの人の人生の中でのステージだてでしょう。 

 

 … 映画”デンデラ”は、この林住期を持つことなく過ごした女性たちが、強制的に人生を終えさせられかけたあとに、この「林住期」を持つ映画だとも言えると思いました。

 

 書店横のケーキショップで、ケーキと紅茶とともにあっというまに読み終えてしまった本です。私はまだ、本当は「家住期」で、人生の責務を果たしていかないといけないのでしょうけれど、それと同時に少しだけ、もう自分の中では「林住期」に入りつつあるのだと、この本を読みながら感じました。

 この本には、林住期に、一人で家を出てみるとか、旅にでてみるとかをすすめていますが、私も、この前、ちょっとそれに似た気持ちで、一人旅にでかけました。自分にとっては贅沢な人参でしたが、それがないと走れない馬のようになった気持ちで。 

 貯金はダイエットし、あげくに肋骨を折って、帰ってきましたが、それでも、旅に出てよかった…と、一人で、地図を片手に”ミレニアム”の舞台をまわった時間や、湖岸のニュータウンのベンチで、ぼーっと過ごしたときのことを思い返しています。 一人で旅にでて、そんな時間を持つことに、なんとなく罪悪感?(そんな休暇をとることになれていない?)を感じていたのですが、なんとなくこの本を読んで、何故に自分がそんなことを欲したのかなどの、お墨付きと原因分析と言い訳をしてもらった気がしました。

 

 後半は少し、おまけ的な話になってしまっているようで、一冊の本としては少し残念?かもしれませんが、前半だけでも、自分に近い年代、自分に近い境遇のかたにはおすすめしたいと思いました。

 

 今、ほかに同時進行でいろいろな本を抱えてしまっています。

 

 ”MORSE”(モールス)…という、「ぼくのエリ 200歳の少女」の原作、上下巻のうち、今は下巻に。今、読んでいる範囲では、この本よりも映画の雰囲気のほうが好きでしたが、背景でわからなかったところも知ることができて興味深いです。

 リメイクで映画化されているようなので、この映画は見にいってみたくなっています。

 

 それから、「インド 厄介な経済大国」 (エドワード・ルース)… これは少々必要に迫られて読んでいるのですが、なかなかおもしろい本だと、ページが進んでいます。

 

 さらに、まだあれこれある理由は、つい骨をかばってしまい、出かけるときに、重い本を持ったりしないようにしてしまうから…です。 うちにゆっくりいられる日に、重い本だけでもなんとかしてしまおうと思っています。

 

 今日は、こわれたトランクが、無事修理されて戻ってきました♪… ちゃんと直るものなのですね…と感動。 思ったよりもずっと早く戻ってきましたし。きちんと手配してくださったJALのかた、直してくださった修理工場のかたに感謝です。

 

 あとは、これで、壊れた?骨だけもとにもどれば、旅のマイナス部分はなくなり、貴重な一人旅で味わうことができた時間だけが残ります。

 もう少し、まだまだ人生での義務は残るけれど、同時進行で、林住期を…とも先走ってしまいたくなったケーキショップでのひとときでした。

 

 それにしても… この季節に腹巻ならぬ胸巻は暑いです…とほ。信号が変わりかけでも走って飛び込めないし。

 診断が出る前は、あれだけ元気に?異国の街は歩いたのに…と苦笑中です。

 病は気から? 知らぬが仏?

 … 林住期は、体との付き合いも大事だそうで。 もうお転婆に生きることができた時期とも決別?しないといけないのかも…。

 

 

 

 

 

 

 

 

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【映画】ぼくのエリ 200歳の少女

 機内で見た映画の中の1本で、とても心に響き、今もずっと残っている作品です。

 2008年のスウェーデン映画で、舞台はまさに北欧。

 そこでの猟奇的な殺人事件の謎が、ヴァンパイアにつながっていき、そのヴァンパイアと庇護者とのこころのあやが、さまざまに深読みできてしまう作品です。

 

 学校でいじめられている12歳の少年がめぐりあった、やはり孤独そうな”少女”との間の会話、そして、少女の父親である男性の言葉… それらの重みは、哀しすぎるほどの魂の叫びとも思えます。そして、ラストシーンでわかる少年の選択は、息をのむものがあり、そのときの少年のまたやわらかで満ち足りた表情の先も思わずにいられません。

 かなりつらいシーンもありますが、もし機会がおありでしたらぜひに…とおすすめしたくなる、映画らしい秀逸な一本であるだけにネタバレしないように…と、これだけの紹介にとどめます。

 

 原作があるそうなので、これはぜひ読んでみたいと思っています。本当に、本当に深い、深いお話です。

 邦題は… ちょっとあまりにもあまりのセンスで…。

 「少しでいいから私を理解して」

 

 映画の中の言葉にしてはちっとも派手でない言葉ですが(たとえば「君の瞳に乾杯」とかや「明日は明日の風が吹く」とか…) それだけに、まさに北欧的な重さ?で、自分の中で渦巻く言葉となりました。

 

 自分だったら、誰に言うのか…。

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【映画】阪急電車

 

 阪急電車という電車… いろいろと噂では聞いているのですが(車両が素敵だとか、沿線がよいとか)一度も乗ったことがありません。今回、”片道15分の奇跡”とサブタイトルのついた映画を見て、初めてその電車に乗った気持ちになりました。

 後輩に婚約者をとられた女性、凛として生き続ける初老の女性、恋人のDVで悩む大学生、進路に悩む高校生、学校でいじめにあっている小学生、派手な奥様付き合いに疲れ果てている主婦… さまざまな人がその電車の中で、同じ時間と空間をなにげなく過ごしています。普通であれば、たとえ同じ電車に乗り合わせたとしても声をかけることもない人たちに不思議な接点がおこり、そんなこんなの時間を電車が運んでいきます。

 

 なんとなく、とてもほっとする映画でした。

 真面目に一生懸命生きている人たちが、そのままに素敵に描かれているからでしょうか。はじかれてしまう人たちは、まさに”困った”人たち。

 ある意味では、勧善懲悪という、水戸黄門さま路線?を、やわらかにさりげなく描いた映画といえるでしょう。

 

 そして、この映画に力をもらえるところは、その”裁き”は、黄門さまやほかの人からふってくるものではなくて、”自分自身で”というところです。

 

 

 

 

 ”私のほうがずっときれいで、ずっと素敵なのに…” 

 よりによってなぜ後輩の女性に婚約者をとられてしまうの…?…

 婚約者とその後輩を前にして、”別れてあげる”条件として、あることを示した女性。その女性の、ある意味で奇異な姿を目にした孫のコメントをすくいあげ、その女性にさりげなく声をかける年配の女性が、この映画の、あえていうならばヒロイン?なのでしょうけれど、自分自身でなんらかの決断をした、この映画の登場人物さんたちは、すべて、ヒーロー、ヒロインでもある…。 

 

 恋をするのも、恋をやめるのも、泣くのをやめるのも、我慢するのも、すべて自分で決める… たとえいっぱい泣いたあとであっても。

 

 そんなふうに人が歩いていくための、やわらかで自然な応援歌のような映画でした。

 

 小さなエピソードのひとつひとつが秀逸で自然でした。細部までよく描かれていたと思います。白いドレスの女性が、そのドレスと、てもちの荷物をどのようにどうしていくかなども。レンタルDVDでまた見てみようと思います。

 

 

 久々に、機内上映ながら、往復で5本映画を見て、しばらく遠ざかっていた映画がまた近くなったと感じました。

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【映画】復活の日

 … 今、ふふふっ … と、幸せにパッケージを抱きしめているDVDがあります。「復活の日」という、1980年に作られた角川映画で、原作は、先ごろおなくなりになられた小松左京氏です。 デジタルリマスター版で、お手頃価格になりました

 

 軍事的に作られたインフルエンザウィルスによって、人類が滅び、最後に生き残った南極大陸の人(ウィルスが低温に弱いということからここだけが助かって)に、今度は、核の脅威がせまり、それをかわすために多国籍協働のサバイバル作戦が展開される… というお話です。

 

 ものすごく好きな作品で、以前、テレビで放送があったもののビデオテープをずっと大事に見ていたのですが、とうとう数年前から、ビデオの再生ができなくなって(デッキが壊れて処分…)しばらくは、記憶の中の作品でした。

 でも、この映画の中で流れていた音楽もシーンも、ずっと心にあって、ことあるごとにそれを思い出していました。サントラのLPも持っているのですが、ああ、それもどうやって聴いたらよいのでしょう…。 ジャニス・イアンさんによる主題歌も素敵ですが、この作品の中のクリスマスパーティシーンなどで流れる曲も、好きで。

 

 登場人物は、まぁよくぞこれだけ… というほどに素敵なかたばかりを集めていて、オリビア・ハッセーさんの美しさは際立ち、潜水艦の艦長さんほかも本当にそれぞれにはまっていて。角川春樹さんご自身も登場されています。

 

 潜水艦のバトルシーンは、レッド・オクトーバーを追え!、草刈正雄さんが放浪するシーンは、さながら砂の器・・ といったように、なんだかいろいろな映画のシーンともつながります。チリ海軍も協力というこの映画。南極ロケのシーンは本当に美しく、ドキュメンタリー映画のようでもあります。

 

 先日、DVDをゲットいたしまして、さて、いつ心を落ち着けて、正座してみようかなぁ…と思っているところです。この暑い夏に、ぜひと原作ともども、お勧めいたします。

 それにしても、昔の政治家は、政治家らしかった…ですね。… とこの映画のことをおもいだしながら、ぼそっと考えてしまいます。

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