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2011年2月

【映画】英国王のスピーチ

 とても良質の映画に出会えました。「英国王のスピーチ」… 素晴らしい作品でした。

 現イギリス女王の父君にあたられる先代の王、ジョージ6世が、”王冠をかけた恋”で王位を退いた兄に代わり即位することになり、吃音というコンプレックスをあるアドバイザーとの縁もあって克服し、歴史的に困難な局面をむかえる大英帝国の”王”としての役割を果たしていくという史実に基づいたものです。

 2時間あまりのあいだに、無駄な時間?というのがまったくなく、かといって、過度な演出もなく、非常に抑制されてよく計算された、そしてもちろん今は亡き ジョージ6世とそれを支えた人たちへの深い敬意によって、とても気持ちのよい仕上がりになっている作品でした。

 そこにちりばめられている”シェークスピア””大英帝国””王室”… 歴史的な流れの中で、表舞台でない部分の深さに触れることができ、キャスト、音楽、ほかも違和感なくすべてがそこにある映画でした。

 映画館に置かれていた読売新聞の広告の中に書かれていた歌舞伎役者:中村吉右衛門氏の言葉が一番端的にこの映画の魅力を示しているように思えましたので、そのままここに書かせていただきます。

 ”あらゆる運命と闘っている人にとって、これほど勇気づけられる物語はありません”

 …みんな誰しも、背負うべき運命というものがあるのだと思います。”王”となることを運命づけられた人が感じるその重みはいかばかりのものかと、この映画を見てはっとさせられました。ノブレス・オブリージュ…という言葉以上の壮絶さがあるのだと思います。その運命を背負うには。 そして、その与えられた運命に、ただただひたすら、誠実に向き合っていったこの王様を尊敬せずにはいられません。

 こんな王様と比べるにはあまりに些少で書くのもためらわれるのですが、私もたまに人前で話さないといけないことがあり、そんなときには、あがってしまったり、言葉を忘れてしまったり、いろいろいろいろで…。本当にいつも四苦八苦しています。散歩しながら、ポケットにストップウォッチを入れて、ぶつぶつ言っている私の横を通り過ぎていく人など、本当に怪しそうな顔で振りかえっていかれて、しまった…と思うことしきりです。いつも自分は下手だ下手だ…と思っているのですが、努力が全く足りないのだとこの映画を見て反省することしきりでした。また、自分の本当に些細で些少なdutyからですら、時に逃げ出したくなる時があります。そんなこんなを思うとき、本当に自分の中に戻ってくることの多い深い作品でした。自分が恥ずかしくなる映画でもありました。

 王は孤独で重く。特に大英帝国の王を運命づけられているということはどれほどに大変なことか…。想像に絶するものがあると思いました。

 ところで、この王様を演じられたコリン・ファースさん… 本当に素敵でした。1960年生まれ。御年51歳…。ふーみゅ…。誠実さあふれる演技でした。 久々に、机の前に”写真”が増えそうです。 それにしても素敵です…。(ため息…)

 

 この映画は、海の向こうのかたから、”日本で公開されたら是非見に行って”と薦められて知った映画で、今朝も”今日、行きますか?”とせきたてられ(?)でかけたのですが、本当に素晴らしくて、薦めていただいてよかったと思いました。

 国は違えど、人生は違えど、感じるもの、通じ合うものがあると感じました。きっとそれぞれに背負うべきものがある人間だからでしょう。

…追記… オスカーをとったとのこと… とてもうれしかったです。

 

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【映画】ミレニアム2 

 レンタル屋さんでレンタルしてまいりました最近の私の癒しの映画は”ミレニアム2”です。 スウェーデンのベストセラー小説「ミレニアム」の映画化作品。 

 ずっと見たかったのですが、当地で上映がなく、機内映画でようやく見たものの劣悪?な環境下ではとても見たとはいえず(日本語字幕がなくて、音声スウェーデン語・英語字幕だけで見るのも、小さい画面では辛いです) ぜひまた…と思っていました。

 1~3の3部作になっているその”2”なので、まさかこれだけご覧になられるかたもいないでしょう…ということで、作品のあらすじなどは全部飛ばします。 

 でも、どこに惹かれているかだけこちらに書かせていただきますので、ご興味をもたれたかたはぜひ1からご覧になってください。

 背中に龍の入れ墨をした、一見とんでもないパンクな女性・リスペット・サランデルが、不幸な生い立ちの謎にせまり、謎におわれていくミステリーで、ハードなシーンももちろんあるのに癒しだ…などと書くと不思議に思われそう。

 でも、そのとにかく”突っ張って”生きている彼女が素敵で、また、その彼女と前作”ミレニアム1”でかかわったジャーナリストの”名探偵”カッレ君こと、ミハエルの茫洋とした、それでいて暖かく頼りになるその存在感が素敵で、ストーリー云々の中にこの二人の心をストレートに感じては、またストレートにひかれてしまいます。

 シンプルで飾らない、それでいて美しいストックホルムの街や、スウェーデンの森の風景、そして、以前にも書きましたが、スウェーデンの人の携帯の着信音… 日本と違って、一人一人がそう変えているわけではないので、同じ音がそこかしこ… 。その音の風景に懐かしさを覚えてしまうのも惹かれる理由です。

 そしてさらに、特に美形でもなんでもない(失礼!)主人公二人…特にミハエル… がとても素敵に見えます。どうしてこの人がこんなに素敵に見えるのかしらと、ずいぶんと考えてみたのですが、わかりません。でも、わからないけれど、素敵なのです。それはきっと、不幸で人を信じられないリスペットが、信頼を寄せるほどに、彼から、”良き人”オーラがでているからかも。 (それも聖人的なオーラではなくて、本当に自然な俗世的オーラです)

 映画を見て、今回しみじみ思ったのが、”信頼”の重みです。主人公二人のあいだにある信頼。その存在に心癒されるのだと思いました。

 こんな信頼が本当にこの世の中に存在しているとすると、この世界も決して捨てたものではない…と。

 愛… というよりもさらに重いのが、人と人との”信頼”なのかもと思いました。

 愛を描くよりもさらに難しいのが信頼を描くことかもしれません。

 愛よりもさらに得難いのが信頼なのかも。 

 原作日本語訳バージョンは、1,2,3それぞれが各上下で計6巻…。

 ちょっと長いですが、”3”が気になるかたは、先に小説を読まれてもよいのでは…。

 

 

 

 … ちっともハンサムでなく、あえていうならばぽっちゃり中年典型タイプのミハエル。 

 お若いころは知りませんが、とてもブロマイド(古い…)の売れ行きを考えられそうなキャラではなさそうなはずなのに、本当に癒し系で素敵なミハエル。

 レスペットの外見については、この映画の中でひどい表現もされていますように、決して美人キャラではないのに、もし自分が男性だったら、惹かれてしまいそうなレスペット。

 このおふたりのコンビがもっと続いてほしいと願いますのに、原作者は早逝。この3作が実質のデビューであり遺作とは、なんとも残念です。

 

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【映画】ソーシャル・ネットワーク

 久々に映画館にでかけました。見た映画は「ソーシャル・ネットワーク」

 先日知人から、フェイスブックにアカウントがあるか否かをたずねられ、それをきっかけに、これまではちらっと耳にはさむことしかなかったフェイスブックに、興味をもちはじめました。

 とはいえ、それがどんなものかよくはわからなくて、同時に紹介されたこの映画をまず見てみようと思い、たまたまジグソーパズルのピースをはめこむように、ぴたっと上映時間も都合にあったので、ぴゅんとみてまいりました。

 久々の映画館♪というだけでうれしかった上に、2時間があっというま…というか時間を全く意識せずにすぎていったことが、最近にない感覚でとてもうれしかったです。 私にしてはとても珍しく最後までまったく泣かなかったにもかかわらず内容が心に残るというのもよかったです。

 ハーバード大の学生がフェイスブックを開発し、起業していく様子を描いていますが、冒頭のデートの場面の会話が特に秀逸で、結局ここにこの映画のエッセンスがみごとに入っていたと思いました。 途中は展開を楽しみ、そして最後は… あの終わり方… 好きでした。(ネタばれになるので書きませんが)

 途中で、この開発者のキャラに、はぁぁぁ…となり、何度か、”どんなシステムかよくわからないけれど、こんな人が開発したものにはかかわりたくない”と思ったりしたのですが、最後は、ふみゅ…とそういう後ろ向きの考えは消えて、ニュートラルで終わりました。

 この映画、ひとことで印象を述べるならば、”でことぼこ”

 …何が足りなくて、それを何によって埋めていこうとするのか…

 それがいろいろと表現されていると思い、あとで思い返しながら、そのおもしろさにひたれる映画でした。

 

 人間、ひとりひとりにもでことぼこがあり、たとえばビジネスをするにも何にするにも、自分のぼこを補ってくれるでことチームを組むことができたら最高なのだと。

 でも、同時に人と人として、友だちとしてであったり恋人としてであったりするには、自分と同じでことぼこ。あるいは、あいやすい歯車のピッチを持っている人とが、ある意味ではよいのだろうとも思いました

 フェイスブックについては、まだどんな感じなのかよくわからなくて、今これ以上にPCに向かう時間を確保していけるかしらと思うと、ちょっと迷っているのですが…。

 またSNSといわれるものでは、ミク○○というのに一応は入っているのですが、どうにもあれには相性があわなくて、ときーに思い出したときに寄る程度です。マイミクさんのほとんど全部が実際の交流のあるかたばかりなので、あえてそこに不思議な名前で…という違和感があるのも否めません。

 私は、ネットライフのはじまりが、”実名で”がルールの世界からでしたので、そんな意味ではそんな世界のほうがしっくりくる気もします。これからもう少しあれこれ情報を集めて…と思っています。

 …ところで、この映画を見る前日、つまりは昨晩、

 フェイスブック?ではないと思うのですが、そんなネットワークからメールが届きました。ある女性研究者のかたのネットワークリストに私のアドレスも登録されているから…とのこと。そのかたとは昨年初めておめにかかり、新年のカードを送ったのですがお返事はなく、そのまま交流が切れてしまうのかしら…と残念に思っていたのですが、こんなふうなことで、もしかしてまた?と思わずうれしくなり、対して熟読もせずに(英語、苦手です…) 登録しました。

 登録内容は、え?こんなことまできく?…もちろんそれを書かなくても次のページには進めますが…というような項目もあって、本当にこれって変な登録サイトではないの?と一瞬疑ったりしましたが、まぁ、このあたりまでならば個人情報がもれても迷惑メールがいっぱいくるくらいで、それもフィルターで分けられていくだろうから…と判断し、女は度胸?…。ポチっと登録しました。

 念のため(登録した後で書いてどうする…)と思うのですが、その女性研究者のかたに、お元気ですか。登録しましたメールを送り、返信もいただきましたので、確かなのは間違いないかな…と思います。久々のメールもあたたかく… とてもうれしくなりました。

 そのリンクにも、顔写真を載せておいでのかたもおいでですので、これも一種のフェイスブックなのでしょうか。

 今日、リンクリストを見ると、いろんな方のお名前がって、思わずこんなかたにあれをうかがってみたい…という方も…。共通項の人がいると、確かにコンタクトがとりやすいかもしれません。まだ、実際にはその勇気はないのですが。

 ソーシャルネットワーク…を考えるきっかけになる映画と、リンクが12時間のあいだに起こった18日の金曜日でした。

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【映画】マイレージ・マイライフ

 ひこーきにいっぱいのって、マイレージをためる人のことをマイラーというそうです。

 出張や普通の旅でなく、ただ、マイルをためるために、ひこーきに乗ってまわる人もいるとか。私は、うーん…。マイルがつくとうれしいけれど(昨年末のフィンエアなど、安い料金だったせいか、One World マイルもついていなかったのはがっかり…)、ためようという気もなくて。でもたまると、それはそれでうれしいかも♪ … そんなところです。

 実は、昨年の札幌行き。使わなければその月の終わりで無効になるマイルがあり、それでは…ということででかけたわけですが、航空券はマイル利用でいらないものの、宿泊費だなんだで、けっこうな出費にはなりxました。しかもそのあと、月末に急に東京までのチケットがいることになり、ああ、こんなことがあるならばあのマイルをとっておけばよかった…とおバカなマイルの無駄遣いを悔いたものでした。

 というお話はともかくとして、ジョージ・クルーニーさん演じる男性は、あちこちを出張してまわるリストラ申し渡し人。一年のほとんどを旅で過ごし、マイルをためるのがただただ楽しみ。そんな彼が、出張先で出会う、やはり出張ばかりする女性と割り切った?つきあいをはじめます。一方で、ITを使って遠隔地からリストラをすれば出張の必要はないという、彼の生きがいを奪いかねないアイデアをだした若い女子社員を、出張に連れて行く羽目にもなる彼。

 ずっと独身。出張であちこちとんで、バックパックひとつにおさまるようなコンパクトな人生を。そしてマイルの蓄積を夢とする彼が、たどりついた心境は…。

 ネットの評で賛否がとてもわかれていたのが納得いく映画でした。

 要は、こんな世界、こんな人の存在を、有りとできるか、まさかの世界と思うかで、この映画の見方がかわってきてしまうのだと思います。

 私は、身近に何人か、マイラーや、マイラーでないにせよ、独身でこの主人公のように生きている人がいるので、思わずそんなかたがたのことを思い浮かべながら見ました。

 最近になって、出張ロードするタイプの人、旅を厭わない人がどんなかたであるのか…ぴぴっと点が線になるよう場面が続き、そんなかたとのコミュニケーションがぴぴっと心にきたからかもしれません。この映画、私にはとても心にしみました。

 女性マイラーさんのほうにはちょっとびっくりの展開でしたし、ラストが、途中で思い描いていたようなものでなかったことにもびっくりし、なんともひねりのきいた作品であることよ…と思わずにはいられませんでした。 ジョージ・クルーニーさんがとてもよく演じていたと思います。

 私的には、☆4つ半… という感じでしょうか。

 

 ブルーレイでレンタルしたのですが、未公開シーンだけでもドラマになる?ようなおまけがついいていましたので、ぜひ、そのあたりもお楽しみに・・・。それから、英語がちっともききとれない映画で、これがネイティブなのか…と、ちょっと茫然としました。ほかの映画はもう少し聞き取りやすい気がするのに…。

 

 思っていることの10分の1も感想が書けなくてもどかしいのですが、本当にひさびさにとった心の休日。この映画に出会えてよかったと思いました。 

 

 

 …最近、”類友”…という言葉をよく心に思い浮かべます。時に、え?っとなるような、#&$%‘*$&…と思うような、自分とは違うタイプの人とのことがあった時など、自分に似たタイプと感じる人の存在は貴重です。(実際はどうかわかりません。まったく同じ人なんているわけありませんし。でも、あ… もしかして同類?と思うような人からは、たとえ一瞬であっても、心にぴぴっとくるものがあり。

同じような心をもった者同士…時に傷をいやしあう、そんな甘えを持てる時間を、時に自分に許したくなる時があります。実際は、そんな時間、そんな気持ちすらも、幻想あるいは錯覚なのでしょうけれど。

 一人で空港を歩き、フライト掲示板を眺めるときの気持ちが、ふっと心に寄り添う映画でした。おかげで、自分を見つめられるよい休日になりました。

 

 

 

 

  

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