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【映画】インビクタス~負けざる者たち

 久々に映画館で鑑賞。

 ネルソン・マンデラ氏が南アフリカ大統領に就任し、新しい国家を作っていくときのラグビーのワールドカップ開催国という状況のもとでの実話に基づくお話… ”インビクタス” ~ 負けざる者たち を見てまいりました。マンデラ大統領役をモーガン・フリーマンさんが演じ、ラグビーチームのキャプテンをマット・デイモンさんが演じています。 モーガン・フリーマンさんの長い間囚われの身であり、その後大統領に…という役は、まさに“ショーシャンクの空に”+”ディープインパクト“… のイメージで、実物のマンデラ大統領にも似ておられることから、まったく違和感がありませんでした。マット・デイモンさんがとても素敵でした。

 とても味わい深い内容で、さまざまなキーワード、テーマが、直球で投げかけられてきますので、そのどの点に反応するかは、それぞれだと思います。 私が一番感じたのは、引き受ける覚悟…というものでした。 マンデラ大統領の場合は、新生南アフリカをよいものにするために、その職務を引き受ける覚悟… というものもおありだったでしょう。 マンデラ大統領によって、自分自身の役割に気がつかされるラグビーチームのキャプテンも、チームを引っ張っていく覚悟があったでしょう。 また、ガードマンの人たちも大統領の安全を引き受ける覚悟がありました。でも、そんなそれぞれの立場の覚悟… だけでなく、少なくともその人自身の人生を引き受ける覚悟… というものがあるのだと思いました。

 では、自分の人生を引き受けるためにはどういう知恵や勇気や行動のとりかたが必要なのか…。 それらを知り、考える上でのヒントがたくさんこめられているのがこの映画だと感じました。

 この映画の中では、実際にマンデラ氏が過ごした刑務所とその部屋も登場しますが、その獄中にあるときにあるときに彼を支えた詩のタイトルが、映画のタイトルになっている INVICTUS ですが、この詩のラスト2行…“I am the master of my fate. I am the captain of my soul “が、まさにこの映画をあらわしているように思います。 また、“負けざる者たち”という日本語のサブタイトルも、この映画の意味をよくあらわしていると思いました。勝者ではなく、許す者でもなく。

 力強いラグビーのシーンもとてもよく、そこにあらわれているがっぷりと組み合う姿勢や、傷だらけになりながらのプレー、そしてチームとしての力などに感動を覚えました。

 一方でまた細部にもとても目配りがきいていて、警官の横で試合のラジオ放送に聞き入ってしまう少年の様子や、がらんとした村にいる犬、ある人の好物のキャンディーのエピソードをはじめ、大胆細心で作られていると思いました。私が一番好きだった小道具?は、”4枚の切符”です。(これからご覧になられるかたのためにネタばれしないようにこれだけ書いておきます。)

 音楽もとても素敵で、よくシーンにあっていると思いました。決して大がかりな仕掛けとか、特殊撮影とかがあるわけではなく、全体的にとても素朴な映画で、本当に人が主役です。それだからこそ、イマドキ、貴重なのかもしれません。久々に直球に気持ち良い映画に出会った気がしました。

 ラグビーボールのあの形は、”まっすぐに飛びにくいからこそおもしろい“…というのをきいたことがありますが、この映画のストレートさはとてもきもちよかったです。ラグビーのルール(何人で戦うかすら…)を全く知らないのですが、それでも十分にその世界から感じるものを得られました。

 たまたま…ですが、最近、アメリカのテレビドラマのDVD“ホワイトハウス”にはまっておりまして、アメリカの大統領と側近たちの仕事ぶり?を見ているのですが、南アフリカの大統領と側近たちの仕事ぶりもなかなかのものでした。日本の首相や党の幹部の側近たちは、どんな仕事ぶりをみせているのか… 思わず見てみたくなります。

 DVDであらためてまた見てみたい作品でした。帰路、思い出したのが、ペレなどの名サッカー選手が実際に出演した映画“勝利への脱出”や、アフリカのことを描いていた“ワイルド・ギース”、それに、タイトルつながりで沢木耕太郎さんの本などでした。 

 何にせよ“引き受ける覚悟“… 有りや無しや… なのですね。違いは。

 面倒を引き受けたくない及び腰って、見ていてちっともきれいではないですね。自省いろいろです。

 

 

 

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