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【映画】ベンジャミン・バトン

 しわしわの老人のような赤ちゃんから人生をスタートし、杖の時代を経て、だんだんと若返り、壮年、そして青年期とさかのぼり、ついには、赤ちゃんになっていく…。 そんなふうに、時間が戻っていく人生を生きるベンジャミンの生涯を描いた映画をレンタルDVDで鑑賞。

 …なんと感想を書いたらよいのかわからないけれど、じわっといろいろなことが心に去来する作品で、ベンジャミンがある年ごろになってから先は、その先が気になっていっきに見てしまいました。

 ひとつ思ったのは、“老人から始まっている… ということは、ベンジャミンは少なくともそれだけの年数は生きるのだ”ということだけが、まず明確にわかるということ。途中でベンジャミンに危機があっても、そこで死ぬことはない。そういう確かな保障が最初にあるわけです。

 人生設計を考えるときに、信長時代のように人生50年…と考えるか、現在の平均余命程度(80年?)で考えるのか、あるいは最近は、100超えも珍しくなくなってきつつある敬老ライフで考えていくのかが不確かであるために、先行き不透明感… がいつもそこにどんとあるわけです。それに比べると、人生のおおよその長さがわかる… ということはなんとうらやましいことかとまず思いました。

 でも、その一方で、周囲の人の流れの中でひとりだけ逆行していくのです。もっとそれを周囲の人が不思議に思わないのかが不思議でした。体のサイズの問題も然り。でも、そんなこと、あんなこと、いろいろなことの設定は、とやかくいうことではないのでしょう。 四苦八苦…のうちの四苦、生老病死を、つきつけられるように考えさせられる物語でした。

 同じ年の古い友から、「この映画、よかったよ」とだけ薦められていて、キャスト他を何もチェックしていなかったので、老人のベンジャミンがどんどん若くなっていって、ブラッド・ピットさまになっていったときには、本当にびっくりしました。キャストのかたのメイクがすごいです。よくぞこれだけの年齢差をメイクで作り上げられるものなのですね…。女性よりも、やはり男性。ブラピさまの変化がとてもきれいで(どんどん若くなるわけですから)、みとれました。特に青年になったとき…には。

 もう20年近く会っていないこの映画を薦めてくれた友から毎年送られてくる年賀状をとりだして、そこにプリントされた彼と奥さんの写真を何年分かをながめ、この友人夫婦も変わっていないなぁと、思ったりしました。何年分かの年賀状をシャッフルして、年代順に並べ替えなさい…と言われてもきっとできないとおもうくらい、写真の中の友人は若いままで。そしてまた鏡の中の自分も眺めてしまいました。心は、十代のころからとちっとも変っていない(成長がない…)つもりなのに、ああ、この経年変化は何?… と。これまで、気にもしたことがなかったアンチエイジング?の化粧品を思わず買ってみようかしらと思ったり。とほとほ。

 彼と、彼のまわりの人とのお話がどれもとても心にしみます。特に海辺の別荘での椅子の置かれ方などの細かいところで表現されているものがとてもよかったです。

 

 … この年から、赤ちゃん時代までに戻るとしたら… あそこで、あの決断を変えていれば… とか、いろんなことを考えてしまいました。ありえないストーリーながら、心の中では、誰もが何かしら思い描く仮想なのかもしれません。

原作もあるようなので、またいつか読んでみたいと思います。未読のままの感想としては、あの変化は映像でのインパクトに適している気がするのですが。文章でどう言葉のひだが表現されているか…、原作ではそれが気になります。

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