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【映画】つぐない

 あるかたのおすすめで、いろいろと想起されるものが多い映画を鑑賞しました。イギリス映画”つぐない”です。

 第二次大戦の起こる少し前。イギリスの豪華な邸宅にて。思春期の入り口にいる、モノ書きが好きなませたお嬢様が、姉と、かっこよくて優秀な、家政婦の息子が噴水のある池の横で共にいたあるシーンを部屋から見てしまいます。お嬢様は、その後、その息子からおつかい?を頼まれた姉への手紙を勝手に読み、ざわめく心を抱えたまま、ついにその二人の逢瀬を見てしまいます。 嫉妬の感情が抑えきれないお嬢様は、ついに、彼女の友人が性的な被害を受けたときに、その犯人を見たといって、その家政婦の息子の名を犯人としてあげるのです。

 本当は犯人でもないのに罪を着せられたその息子は、やがて刑務所から戦場へ。そして、姉は彼の無実を信じ続け、彼の帰りを看護婦になって待つのです。

 大人になったお嬢様は、だんだんと自分が犯したその罪の重みを感じ、姉に謝罪をしようとします。…そして最終的に彼女がしたつぐないとは…。

 

 ストーリーのネタばれはしないのが信条なので、それを具体的に書かないままに感想を書くのは難しいのですが、ストーリー的にはぷんぷんして鑑賞しました。

 映画が始まって間もないころから、”この女の子…”…と、なにやらいやな予感がしていたのですが、結局それは最後までつながっていきました。 …”ちっともこれは償いでもなんでもないじゃない”… と思わずにいられませんでした。 

 でも、そういう苦手キャラがでていたにもかかわらず、映画に最後まで惹きこまれたのは、家政婦の息子を演じていたジェームズ・マカヴェイさんという俳優さんと、姉を演じたキーラ・ナイトレイさんの演技に惹かれたからだと思います。表情が深く、とてもよかったと思います。そのほか、いろいろな伏線、細部にいたるまでよく気配りされた映画だと感じました。最初はびっくりしたものの、時制の反芻もできるかぎりスムーズに考えられていたと思います。良い映画を見せていただきました。おすすめいただいたかたに感謝です。

 

 …まだ大人ではない少女のしたことだから… で許されるものではないと思います。“ウソをつくこと”で、少なくとも、この息子と彼を愛する姉、そして息子の母である家政婦の3人の人生は大きく変えたわけなのです。 それも、たとえばうっかり転んで、そこにいたものを壊した… というようなものではなく、ある種の感情だけが大人びてしまった未熟な女性が犯した、明かなる罪…。それに対して、この映画が示した方法ではだれも救われない。結局救われるのは、“できるかぎりのことはしたつもり”…という少女自身だけ。

 せめて、バタフライ・エフェクト、もしくは風が吹けば桶屋がもうかる…のような現象で起こっていったことか(それでも、たまらないことですが)、はたまた、モンテ・クリスト伯のように、青年自らが行動をおこせるのであれば、まだ、つぐない…になっていく余地があると思うのですが。(ごにょごにょ…)

 この映画については、ご覧になられたかたとネタバレを心配することなしに思いっきり語ってみたいような、この、少女へのぷんぷん気分を収めてからでないとそれも難しいような… ちょっと熱くなる映画でした。…要は、自分が単純だから、シンプルに生きる(権謀術策しないタイプ)の人が好き…というだけなのかもしれません。そんな自分に気がつかされる映画でした。

 

 不幸を一身に抱え込んでしまうことになる役のジェームズ・マカヴェイさんがとにかく素敵で、このかたがでている他の作品もそのうちみてみたいと思いました。

 ちなみに“モンテクリスト伯”… この本には少年少女文学全集のころから、いろいろとトリビア的な知識もあって惹かれてきました。この映画を見終えたときに、まず、この作品が思い浮かび、またあらためて読んでみたくなりました。映画“ショーシャンクの空に”にも、この本のことがほんのちらっとでてきます。

 

 

”待て、そして希望を持て。”

 …少年少女のころではわからないですね。この言葉の重み。

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