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【映画】南極料理人

 この夏、ぜひ見たくて、公開を楽しみにしていた映画を早速見てまいりました。「南極料理人」です。

 夏には白夜といわれる一日中太陽が沈まない日が、また、冬には極夜といわれる一日中太陽が昇らない日がそれぞれ数か月続く南極の基地。そこは零下70度にもなる雪と氷の世界です。観測隊のメンバーは、いったんそこでの仕事につくと、恋人が恋しくても、コンビニが恋しくても、どんなに家に帰りたくても、”やーめた”といって、そこを出るわけにはいきません。ひとりで脱走?を図っても、とても基地の外では過酷な自然環境ゆえ、生きていけず…。

 そんな世界で、ドームふじという、いわば基地の支所?では、男8人が越冬します。彼らは気象観測担当や、極地研究者、車両整備担当者、医者、報道関係者、そして料理人らです。

 とにかく外にはなーにもない南極基地。基地の中での娯楽といっても、麻雀、将棋などのボードゲームほか非常に限られています。家族との手紙のやりとりも時に届くFAXくらい。電話は1分740円。(この映画の設定当時)…

 そんな日々の中で、食事はとても大切な楽しみにもなります。料理人さんは、メニューにアクセントをつけ、さまざまな料理で気分転換をはかれるように努力していきます。和食・中華・フレンチ・ほか。幅広いジャンルのメニューが限られた材料の中で、まさにアイデアをしぼって作られていきます。

 その料理人さんを、ただいま勝手に注目中☆の堺雅人さんが演じるわけです。原作の”南極料理人”は以前に読んで抱腹絶倒でしたし、なんといっても、子供のころに、ある南極探検の本に出会ってから、私は極地好き。南極映画(?)“復活の日”は、何十回ビデオで見たかしれませんし、当地に寄港したときに”しらせ”はもちろん見に行きましたし、あるデパートで南極の氷が売られていたときにも買いました。きゅん…と溶けていく音にロマンを感じ、あんたーくてぃか行きたい…と言い続けている身ではこの映画は、みのがすわけにはいきませんでした。

 子供のころに出会った南極越冬隊の本には、ある国の料理当番さんが、あるものでグリンピースに味付けすると意外においしかった…というお話がでていました。いわゆるキッチンにある調味料ではないこの味付けに使われたもののことを思い出しながら、この映画を観ました。

 映画自体は、うーん…。いろいろと原作を読んでいたり、南極の越冬隊のことを知っていたりすれば、いろいろなシーンに補完していくことができるかと思いますが、極地での生活にそんなに興味がなかったかたがこの映画だけをご覧になられたら、もちろんいろいろと笑えもし、楽しめるのですが、うーん… いかがなものかとは正直思いました。

 どうして、南極ではあのような食材をあのように用意し、あのようなメニューを組むのかなども、映画の中だけでは言葉足らず?のような気がしましたし、南極の映像?も、“復活の日”のようなものをイメージしていただけにちょっと…。

 期待の堺雅人さんは、よい味を出していましたが、他の映画やドラマで見ていたほどのひねりやちゃめっけがある優しいまなざしの表情はあまり見ることがなく、(今回はなんとなくこのかたにしてはプレーンな印象で)それは、なんとなく“父親”役に違和感を持ってしまったからかもしれません。1か月前にみたジェネラル・ルージュの印象をまだひきずっていたからかもしれません。

 料理は、おいしそう…でした。特に私はおにぎりに惹かれました。メニューの数は見る前に期待していたほどには多くなかったのですが、”食べる”ときの隊員の人たちの向き合い方、表情、動作に非常にいろいろな意味が込められていて、その点の“味付け”はみごとでした。

 …最初にネガティブなところを書いてしまいましたが、いくつかのシーンで、爆笑もおこり(映画館の中は10人くらいのかただったのですが、なんとなくよい感じで笑いがおきていました)、なんとなくほっこりした気持になることができる映画だと思いました。派手なアクションやドラマなどはありませんが、ある意味でなかなかこういう味の映画はない…映画といえるのかもしれません。2時間はあっというまでした。エンドルールもどうぞ席を立たれないでください。ちゃんと、お約束は果たされますから☆

 ふりかえってみると、いろんな場面から、それぞれに想いを深められますし、こういうテイストのものはイマドキ珍しい映画と言えるのかもしれません。 美味しさを期待しているからこそ、もっともっと見たくて、少し物足りなく感じてしまったのかもしれません。

 ひとつ、この映画を見ながら思ったことは、”もし、隊員のかたがこんなに食事をとられているとすると、ぷっくぷくの体型になられるか、メタボになって帰られるかではないか?”ということでした。でも、気圧も低く、水作りからして日々の重労働である生活では、あれだけたーんと食べても大丈夫なのかも。いろいろと余計な事ばかり考えてしまう映画でもありました。

 ちなみに、こんな本も売られているようです。

 子どもの頃に読んだ本の中でのある南極越冬隊でグリンピースに味付けをほどこしたものとは、”ねり歯磨き”でした。なるほど、ミント風味。よいかも♪ 

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