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【読書】朗読者

 映画”愛を読むひと”の原作、「朗読者」 ベルンハルト・シュリンク氏著。

 以前、あるかたから紹介されていて本を買っていたものを、今回の映画化のニュースであらためて書棚から取り出し、読みました。買ったばかりのときは、何らかの理由で読まずのままだったのですが、この映画を機会に読むことができて、とてもよかったと思いました。

 21歳年上の女性に本を読み語る15歳の少年。彼女がなぜ、彼に本を読んでというのか…。そして、時を経て、また本を読み語る状況がおこったその二人の背景。特にこの女性ハンナの人生とその想いには、胸をうたれずにはいられず、特に後半、いっきにひきこまれました。

 最後まで読み終えると、すぐに最初のページに戻りたくなりました。それは、”あの少年との時間の意味”を、すべてを知った後で読みなおして考えたくなったからです。

 この春から、ずっと心の中でよどんでいた人が学ぶことの意味、人が知を持つことの意味に、自分が欲しかった形でのある明確な答えを得ることができ、読み終わったあとに、”そうよね、そうよね…”と思うことができ、胸がいっぱいになるようなハンナの心と生きざまを思いながら、彼女に心からの敬意を払いたいと思いました。

 これから本を読まれるかたのために、具体的なことをここで書きたくないので、なんとも書きにくいのですが、学歴のあるなしなどでなく、真に知を持ち、知に敬意を持って生きることの意味を考えずにはいられませんでした。

 映画のほうはまだ見ていなくて、逆年齢差?のかなりドキドキするシーンが多いことなどがよく話題になったり、また、美容院で美容師さんからは、ラストシーンまで聞いてしまい(…)そのシーンに”はて?”となったりもしているのですが、とても気になる映画で、どこかで見に行くことができたら…と思っています。 

 タイトルは直訳すると”朗読する男”だそうで、一人称での語りを含めて、主は、この”男”なのかもしれませんが、本を読む限りなんといっても圧倒されるのは、この女性の人物像、生き方です。哀しいほどにピュアなこの女性が、映画でもそう描かれていたらいいのですが…。

 ひさびさに、哀しさの先の透明の空を見た気がする作品でした。

 ”音読”…。久しくしたことがない、きくこともないものですが、ふっと公園のベンチで、そんな時間が持てたら…とも考えてしまいました。(“ノッティングヒルの恋人”の一シーンを思い描きつつ…)

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