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【読書】幻の終わり

 落ち着いたお店のカウンターで、ひとり、こんな本を片手に、静かに時を過ごしていくことができたら、最高。

 …そんなふうな想いで読み終えました。キース・ピータースン氏著の「幻の終わり」という本です。

 敏腕記者が、その年最初に雪が舞った夜に、ある著名な海外通信員と出会い、つぶれるまで飲んだのですが、その翌朝、相手は殺されてしまいます。記者は、その通信人の過去のたぐるなかで、自分のいろいろな想いとも向き合っていきます。

 あるかたに勧められて手にしたのですが、ここしばらくなかなか本を手にできず、バッグの中にずっと入ったままでした。やっと静かな早朝にいっきに読むことができました。

 読み終わってまず思い浮かんだのは、静かな静かな深夜。雪のマンハッタンにたたずむ男の黒い後ろ姿でした。あまりこういう小説をこれまで読んだことがなかったのですが、この本にであう時期として今がふさわしかったのかもしれません。とてもこの世界にひかれました。

 最近、ふっと感じることが多くなってきたのですが、世の中には、”個”(あるいは孤)で、生きるタイプの人と、“群”で生きるタイプの人がいるなぁ…と。

 最近、よく“草食男子”とか、“肉食…”というように人間がタイプわけされることがあるように、”個”タイプの人と、”群”タイプの人がいるような気がするのです。それで、その方がそれぞれに生き方のルールがあり、思考のルートがありで、それはそれぞれに違うもので、互いに真に理解はしえないのではないかと。

 着眼点、重視するところ、すべてが違うのですよね…。 自分と正反対のタイプの人とは、どれだけ言葉を尽くして、歩み寄ろうとしても無理だ…というのが、だんだんとわかってきました。  若いころ?は、それでもなおなんとかなるはずだと思ったりして行動していましたが、そろそろ、そんな年?になったのでしょうか。

 自分と同じタイプの人…というのを見分ける嗅覚?のようなものがでてきて、そしてそんなひとたちとだったら、お互いにほどよいと思える距離をたもつことが、少し可能になってきた…という感じがします。

 この本は、自分にとって、ある意味で心に近いところを感じる本でした。ストーリーもさることながら、この本を読んでいる時間…が好きでした。

 

 原題は、There Fell a Shadow

  “幻の終わり” という邦題は、なんともこの本にあっていると、読後に感じ入りました。

   

 

 

 はっと思ったのが、もしかしてこの本を薦めてくださったかたも…と。私と似たタイプ…だなんて申し上げると失礼になってしまいますが、なんとなくふっと、メールのやりとりでの距離感にも、ここちよさを感じてしまいます。読書のあとに、もうひとつ、よい時間をいただきました。感謝しています。

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