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【映画】チェンジリング

 あるかたに薦めていただいて、「チェンジリング」を見てまいりました。

 70年ほど前のアメリカで、実話に基づくとのこと。ある女性が、仕事で家を留守にしている間に、留守番をしていた息子が行方不明になってしまいます。必死に息子を探す彼女のもとに、警察が連絡してきて、「息子さんが見つかった」と。ただ、そうやってひきあわされた息子は、自分の息子ではなかったのです。でも、警察は自分たちの都合で、その“息子”を息子と認めない母親…その女性を責め、とうとう精神病院に入院させてしまうありさまです。…本物の息子は今どこに…?… そして、事件の真相は恐るべきものにつながっていきます。…

 クリント・イーストウッド監督による作品で、最初から最後まで、時間を感じさせることなくいっきにそのストーリーに引き込まれていきました。時代を映しだす情景が、きっとCGによるものだと思うのですが、またとても情感あふれるものでした。すべてがさながらセピア色の遠い昔のそのときのそのままの映像…として流れていくようでした。

 また、ストーリーに盛り込まれているものが実に多種多彩です。子どもが消えた母親の心情はもちろん、事実を隠ぺいしようとする警察の人間の動き、支援にあたる教会関係者のこと、精神病院での医者、看護師、患者たちそれぞれのこと、そして、事件の核心につながっていくある犯罪に関すること…。

 本当に、大きなバスケットにびっしりつめられたアメリカ料理のフルコース…(それがどんなものか私はよくわからないのですが…サーロインステーキにポテトにコーンに…)をしっかり味わったという気がしました。

 ちょうどアカデミー賞の発表の翌日に見たのでとてもまたそれと重なったのかもしれませんが、とても”アカデミー賞を意識した”作品であり、そんな意味でとてもタイムリーではありました。たとえば、最後の場面でも、さりげなくそのことを入れられていて、そういう細部への心配りにも驚きました。

 ただ、どうしてもぬぐえない違和感を持ったことがいくつかありました。ひとつは、主演の女性の化粧です。とにかく目のまわりのお化粧(特に、眼の下のところを黒く?ぬる…なんというのかわからないのですが)は、何か意味がほかにあるのだろうか?と考えさせられるほどでした。仕事にでかけたりするときならばともかく、そうでない普通の時、子供の心配をしているときでも、あのお化粧…というのは…。私は自分が化粧をほとんどしないほうなのでなんともいえないのですが、特になにか心配なことがあったときは、化粧をする余裕などはなくしてしまう(化粧なんてどうでもよいことだと思う)だけに、うーん、うーん、うーんでした。

 それから、”息子としてやってきた少年”…のことです。彼は誰よりも自分が、“息子”でないことを知っている。それなのになぜああやっていられるのか? “息子になりすまそう”と思った動機も明らかにされるのですが、そんなことでそこまでずっと?と思えるようなことでした。またその“息子としてやってきた少年”の母親についても、??????で、このあたりは本当に不思議でした。

 そのほか、事件の核心に近づく別の恐ろしい犯罪のことについても、その犯人の気持がいまひとつ、ストンと落ちなくて、そのほかいろいろと…。

 実に丁寧にいろいろと盛り込まれているからこそ逆になんだか気になるところが多く出てくる映画でした。(同じ映画を見た方といっぱい語り合ってみたいですね・・・)でも、とはいえ本当に高密度の映画で、久々に、映画を見ることを味わい尽くした気がしました。おすすめくださったかたに感謝しています。クリント・イーストウッド監督の作品は、満腹感を覚える濃密な作品が多いのかもと感じます。

 ところで、昨晩は、テレビで、”チームバチスタの栄光”を観ました。原作のほうがおもしろい…ときいていまして、なかなかレンタルにも行っていなかったのですが、原作でとても苦手だったキャラクターが、映画では厭味な面は残しつつも、原作ほどではなかったので、ちょっとほっとしました。 ただ主人公は、やっぱり原作のままの男性キャラのほうがよい気がしましたが。

 …シリーズの他の本(ジェネラル・ルージュの…など)も興味はあるのですが、とにかくあのスワンさんのキャラは超苦手で、バチスタも読み直す気力がおきないほどなので、ちょっとこのシリーズ全体からひいてしまっているのが本音です。キャラクター造形というのは、どういうものなのか… ここまで極端な必要があるのか… バチスタのスワンさんと、また、このチェンジリングのお化粧とが、なんとなく、どこかでつながって思ってしまいました。…

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