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【読書・旅】風の影

 「忘れられた本の墓場」で、ダニエル少年がめぐりあった一冊の本、”風の影”。その本を巡ってバルセロナを舞台に展開するミステリアスなストーリーカルロス・ルイス・サフォン氏著の「風の影」を手にしたのは、バルセロナに旅立つ1週間前のことでした。

 いろいろとサイトを検索しているときに、バルセロナを舞台にしているという本に出会い、これはぜひ読んでみなければ…と思ったのですが、いざ手にしてみますと、それは上下巻で800ページを超えるような作品でした。

 なんだか、ハリーポッターの秘密の横丁の中のような本の墓場でのできごとから、いっきに本の世界にひきこまれ、その先の見えない展開にわくわくしながら、それでも、それを味わうまもなく大急ぎに読んでしまったので、もったいない読み方をしてしまったと後悔しています。が、どこかに旅にでるとき、そこを舞台にした小説を読むと、実際にその地に立った時に、感じることが多く、まさに風を感じました。

 スペインの内戦が市民にもたらした傷は、堀田善衛氏の”バルセローナにて”などで読んでいたのですが、この本からもそれを感じ、それはまた、サグラダ・ファミリアの地下の資料室で見た、内戦で破壊された様子の記録などとも結び付きました。

 また少年の母が眠るというモンジュイックの丘の墓地…というところに行ってみたいと思いながら、(それはかないませんでしたが)、思ったよりも低い印象の丘をなんども街からみていました。…モンジュイックの丘というと、バルセロナオリンピックのメインスタジアムがあり、そういう印象でしかなかったところなのですが、その華やかさのそばにある市民の痛みが、この本の中から染み出すように感じました。意外な展開のストーリーなので、あえてこれ以上は…と思います。まさに迷宮に迷いこんだかのようなストーリーでした。

 旅からもどり、また読んでみたいと思いながらも、いたずらに時がすぎ、まだそれが果たせずにいることを悲しく思っています。

 風に影はあるのだろうか…。そんなふうに思うときに、見えないものの影を追いたくなる自分に気づいたりします。

 

 

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