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【映画】ことの終わり

 久々に、真の大人の映画…に出会った気がしました。レイフ・ファインズさん主演の”ことの終わり”という作品です。

 富豪の友人の妻と、あっというまに恋に落ちてしまった作家が、その恋の顛末と自分の思いをタイプライターでうっていく…中にすべてが語られているのですが、その内容をキーワードで書くならば、友人、不倫、疑念、恋?のあと、第三の男、私立探偵による調査、信仰…などですが、とてもその内容をうまく書いていけません。ストーリーのどこまでをどう書けばよいのか、わからないからでもあります。 それぞれの人の想いと視点…といういくつかの角度からひとつのシーンが描かれていくので、書きすぎてはネタばれになりますし、書き足らないままではまた魅力も語れずというやっかいなもので。

 非常に伏線がみごとで、いろいろな糸が深く織り込まれていっている作品でした。冒頭のほうの不倫のシーンはかなりなまなましくて、かなりひいてしまい、途中までは、(もうこのあたりでやめよう)…と思っていたのですが、途中からはお話のゆくえが気になってしかたなく、そんな過程に入ると、冒頭の、なんとなく過剰に思えた描写がいきてくるのも感じて、いろいろな意味で、考えぬかれた作品だと感じ入りました。

 作品のテーマとしては、愛憎というよりも、「神」との向き合い方なのかもしれません。

 ”お宮参りは神社で行い、結婚は教会であげ、葬式は仏教で…”というように、信仰についての意識が希薄?な多くの日本人にとってはむつかしいテーマかもしれませんが、宗教的な神…というよりも、宗教的なものでなない、心の中にいる”神”という、善悪の規範…のような自らの心の鏡…のような絶対的な存在を意識しながら観る作品でした。

 この映画の中で描かれる”妻”の心も、”夫”の心も、”夫の友人で妻の恋人である作家”の心も理解可能でした。特に妻をめぐって、最後のほうの場面で夫と夫の友人がつくりだした状況は、一見不可解のようであり、でも、それはあの妻の心に”真”と”神”があったからこそのものだと受け止められるものでした。それが、世間的には”不倫”という言葉で片付けられてしまう事象においても、そこに向き合う心に常に彼女なりの”倫”があったのだと思います。その”倫”は、世間一般で無責任に扱われるようなものでなく、真に人として向かいあうべきものであり、彼女が、”不倫”という言葉ではくくれない誠実さできちんと彼女なりのものを通してきたことに感じ入るものがありました。

 真に愛される人の要件というものが、感じられる映画でした。

 原作があるそうで、それも読んでみたくはあるのですが、まずはこの映画に圧倒されたままで倒れこんだままでいたいとも思います。

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