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【読書】容疑者Xの献身

 ただいま映画公開中。しかも、今やすっかりノーベル賞ニュースで、トレンディな言葉?になっている”物理””数学”屋さんのおはなしである、いわば旬の本といえるかもしれない”容疑者Xの献身”という本を読みました。東野圭吾さんのガリレオシリーズと言われるもののうちの一冊で直木賞受賞作。

 ひょんなはずみから、娘とともに、別れた前夫を殺害してしまった女性がいて、そのアパートの隣室に住む、高校の数学の先生が、なぜかおせっかいをやいて、その女性の犯行隠蔽の助けをする。そして、その事件にたずさわった刑事の相談相手…というのが、奇しくもその隣人先生の大学時代の友人で、物理屋さんであった…。

 というようなお話です。例によってミステリーなどの場合は、あとはごにょごにょとネタばれなしで書きます。

 とても読みやすい文体で、親しみやすい内容でいっきに読んでしまいました。この本を買った理由は、電車の中で読んでいた本を駅に到着した時点で読了してしまい、では帰りの電車では何を読もうかしら?と思い、駅にあるそんなに大きくない書店に入ったところ、限られた本の中から、めあてとする”震えるスパイ”のような小説を見つけ出せず、それでは…と、いうことで、今はやりの、”ランキング1位買い”をしてしまった…というものなのです。ランキングに頼って買う…というのは、本当は好きではなくて、日頃はまずしないのですが、今回の場合は、”素直”に、そうしてみてよかったかもと思いました。途中の展開にも引き込まれ、しかも最後の展開は想像できないものでした。

 十分に自分の中で可視化しやすく、もうすべての登場人物のイメージも自分で作り上げてしまっていますので、あえて映画は見ないでおこうかな…と思っています。なぜならば、俳優さんの中で、この本に出ているような真の理系人間を演じることができる人は少ないと感じるからです。

 …どこか空気が違うのですよね…。文系の人と、理系の人って…。

 ともすれば、世の中で奇人変人扱いされがちな理系人間。

 この本の中ではとりわけそれが良くも悪くもそれが象徴的に描かれています。私の周囲は、友人、知人、親戚えとせとらのほとんどが、いわゆる理系…で、たぶん90%以上がそんな人たちなので、この本の登場人物、特に隣人の数学の先生は、ぴたっと…そんな周囲の人たちの像にはまりました。このことが、もしかすると、私がとても自然にこの本のキャラにはまれた理由かもしれません。

 一人だけ、どうしてもなぜかしっくりこないメインキャラ…をあげるとするならば、数学教師の隣室に住む、前夫の殺害に関わってしまった女性、その人でした。

 なぜしっくりこないのか…。それはよく自分の中で整理しきれなくて、もやもやとしているのですが。

 ラストのガリレオからの一言…が最後にとても心に沁み、読後感をよい形でまとめてくれました。気軽に読めて、そこそこにおもしろく、ぐっとくることができる、とてもバランスのよい本だと思いました。

 私の周囲のとりわけピュアな人たちを思うとき、

 …この献身。…ここまでやる?… と思ったりしないで、”相手次第ではさもありなん”…と思ってしまえること。それは私の幸せなのかもしれません。

 

 ちなみに、“政治家Xの献身”などという本は出版されないのでしょうか…(ぼそ)。

 

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