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【映画】スカイ・クロラ

 とても不思議な映画を映画館で観ました。「スカイ・クロラ」。

 あまりに美しくて息をのむような3次元的描写の中で、2次元的に描かれる大人にならないパイロットたちの、どこかやるせない、透明な悲しみがあるストーリーでした。

 現実の世界から離れていることの想像力に乏しい私は、うまくストーリーも書けないので、劇場で買った“オフィシャルガイド”から、抜き書きしますと、

 …”時代も、場所も明らかではないどこか日本とよく似た国で、果てしなく続く戦争。レシプロ機が大空を舞い、戦争がショーとなっている世界で、戦闘機に乗り込み、戦う人。 その中には、大人にならないパイロット「キルドレ」の姿があった。-これは、飛ぶために生まれてきた永遠の子供たちの物語。…

 原作が、森博嗣氏で、監督は押井守氏。

 ずーっと“少年少女”?のままのはずのキルドレと、その中で”大人”的なことをしてしまった人と、そして、その姿こそ見せないものの、確かな現実?(そしてたぶん大人?を意味する人)として登場する“ティーチャー” なる強力な敵のパイロット…のストーリーには、想像力貧困な私では、すんなりとはわからないところがあったのですが、それでもなお、あまりに美しい映像と、そして音楽の中で繰り広げられる世界に魅せられました。

 予備知識無しの一回の鑑賞ではわかりきれないところもあったのですが、人が大人になることとはどういうことか… その意味を、人を想うことを軸に考えさせられる映画でした。どうにも消化不良なので、これは、原作を読んでみるしかないと思っています。原作のシリーズは5冊あるそうですが、とにもかくにも、映画と同タイトルの一冊をと…。

 映画は一人で行く…が基本なのですが、この映画は、半年くらい前から一緒に行く…という約束があって、封切の昨日、出かけてまいりました。夜で1000円均一で見ることができる上映時間だったのに、”おまけ”のストラップ目当てで、つきあって買っていた1300円の前売り券で入場。

 たまには、こんなふうに、あるフォースが働くことで、それまで知らなかった世界が広がることも良いことだと感じました。

 それにしても、本当に美しい…。

 絵で描かれた映画…というのは、これまではあまり特に関心がなかったのですが、この映画で見方が変わりました。

 緑の中の滑走路があらわれたシーンでは、まるで、フランクフルトの空港などにと降り立つ前の豊かなドイツの森を思い出さずにはいられないほどにリアルで、また、非常によく書き込まれている室内の場面では、その壁紙やインテリアをもっと見たいと思うほどでした。そんな、見事な背景画の中で、キルドレだけが、妙に2次元で書かれて登場してくる違和感で、もうこの世界に心が入っていってしまったのですから。

 実写ではできない表現方法としての手法… としての意味がわかりました。このストーリーを表す方法として最適だとも思いました。

 何よりも、青い空と白い雲が美しすぎ、あの空に悲しみがあることが心にしみました。

 そして、今、あらためてこれを書きながら、振り返れば振り返るほどにいろいろな重く深いテーマがそこにあったことに気がつきました。大人になることってなんでしょう?“自分”とは?人はなぜ人を愛するのか?…。

 もう一度じっくり見てみたくなっています。本を読んでから見に行っていればよかったかも…。

 原作の単行本のカバーがとても美しいです。思わず本棚にディスプレーしたくなるほどに。

オープニングの曲をきいただけで、思わず欲しくなったサントラ。そして飛行機も。

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