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【観劇】さんしょう大夫

 前進座による公演、「さんしょう大夫ー説経節よりー」を鑑賞。

 嘉穂劇場という、http://www.kahogekijyo.com/ ”江戸時代の歌舞伎様式を伝える芝居小屋”に、ぜひ一度行ってみたかったのです。数年前の水害で大きな被害が出たときに、多くの俳優さんたちからの支援で復活したエピソードを、ニュースでもよく聞いていましたので。

 演劇好きの知人に誘われ、連れていってもらいました。まず、劇場の外観にびっくり。それから、中にびっくり。升席におざぶとん。劇場内の風情はすっぽり、”座長大会”です。…といっても、座長大会なるものもそういうお芝居も見たことがないので、井上ひさしさんの本で読んだりしたイメージだけなのですが。

 本当に演劇が好きなのだなぁ…と感じられる皆さんでいっぱいで、とてもあたたかさのあるよい雰囲気の中で、開演。いきなり説経節が唱えられ始め、舞台正面には、その字がうかびあがりました。劇場の左右の廊下との区切りの戸も、みごとに照明で活かされていて、舞台の上だけでなく、劇場内全体が”その世界”であることに、まず素人はびっくり。

 物語の大筋は、だまされて人買いに売られた、高貴の生まれの姉弟(安寿と厨子王)が、苦労を重ねていき、やがて一人は逃げることができ… というものです。

 子供のころの絵本からおなじみで、十分に知っているはずのストーリーなのに、一瞬たりとも気がぬけるところはなく、途中のお休みをはさんで、最後までいっきに見てしまいました。とても力のある作品だったと思います。

 芝居をされておられるかた全員で、説経節をとなえられ、音楽も舞台上で皆さんが分担してされる…ということで、音による表現もとてもみごとでした。衣装の転換もおもしろく、音に衣装にと、出演されておいでの皆様はさぞお忙しいだろう…と思わずにはいられないほどでした。

 最後の挨拶のときには、花束のかわりに、お酒びんがプレゼントされていて、それにもまたびっくりしました。 映画館では、味わえない人と人とのコミュニケーション、劇場全体が活かされる舞台… まさに、ナマの良さだと思いました。連れて行ってくださった知人から、いろいろと市民劇場のシステムなどを教えていただきましたが、そのかたの熱さがまた素敵でした。年に数回の公演。その場所、その時間は、他のすべてのことを忘れて没頭できる…その魅力が伝わってきました。

 ほぉぉぉ、うわぁぁぁ、へぇぇぇぇ…

 貧弱なボキャブラリーでしか感想が書けない自分が情けないですが、とにもかくにも、魔法にかけられたような夜でした。

 観劇を終えて外に出ると、もう風は涼しくて。そろそろ春眠から続いた夏眠は終えるころだと感じました。今年の秋冬は、春夏にさぼったキリギリスライフのツケを払うべく、これからちゃんと動くことができたらいいな…と思いました。時間貧乏の秋の気配です。

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