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【社会見学】実爆を伴う復旧訓練

 “実爆を伴う滑走路被害復旧訓練”という航空自衛隊(一部陸上自衛隊も)の演習を大分県の日出生台演習場で見学してまいりました。

 これは、飛行場が攻撃により被害を受けた場合の復旧活動の訓練で、昭和45年以降毎年実施されているそうです。訓練では、実際に500ポンド爆弾(250キロ)2発を、滑走路と想定した地中で爆破させ、早期に航空機の運航が可能な状態まで様々な重機を使用して復旧させるというものです。実際の爆弾を爆破させる訓練は極めて珍しいそうで、さまざまなデータ収集もかねて行われていました。

 038_2 まずは”Before”です。全国から、数百人の自衛官が参加しています。

 

 

本当ならば、F-4EJ改機2機の飛来があるはずでしたが、あいにくの天候不良でそれはなくなってしまいました。見学場所は、距離の離れた安全な場所からです。(もちろん)

そして、爆破。041_2

 

少しして、わずかですが、爆風を感じました。その後は、安全が確認されるまでしばらく待ち、その後、爆破されたところを見学します。爆破孔の近くには、こんな爆弾の破片も落ちています。050_2

そして、アスファルトのほうに開けられ孔。コンクリートのほうに開けられた孔のまわりを歩いてみました。アスファルトとコンクリートでは、様子が違いました。写真はコンクリートのほうで、中に入っている鉄筋が完全に寸断されています。

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周囲には、陸上自衛隊によって設置された、1トン土嚢や、コンテナがあり、そこにどんなふうに破片が当たるのか、またそれらの後ろにある航空機にはどれくらい破片が飛ぶのか(飛行機は木で簡単につくられたものです)を見ることができました。

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そして、その後、昼食(自衛隊のカレー…おいしかったです)をはさんで、午後からの訓練は復旧作業です。

”もしも投下されたものが化学兵器だったら”…ということから、防御服に身を包んだ自衛隊員二人が、どれくらいの規模の被害かなどを調査、報告し、それを本部に伝えます。そして、いくつかある復旧プランを検討し、どの案で復旧作業を行うのかの決定を司令官がします。(ここまでも全部模擬訓練)

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そして、それからが重機たちの出番です。パワーショベル、ブルドーザー、えとせとらがいっきに何台も動き出しました。その速いこと、速いこと。日頃は、道路工事や工事現場でみかけるそれらの動きは、とてもスローなのですが、今回は、ディーゼルエンジンの音をウィンウィンたてながら、どれもすごい速さで、しかも抜群のコンビネーションで動いていきます。何度も、うわぁぶつかる…とひやひやして見ていたのですが、まったくそんなこともなく、華麗なる動きでどんどん作業を進めていました。

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時間の関係で最後まで見ることができなかったのですが、孔のまわりを整地し(爆弾でめくれあがっているからこれがたいへん)、そして穴をふさぎ、それから固めて、最後に特殊なシートをひくそうで、そこまでの作業が全部で4時間半を予定されていました。最後まで見ることができなかったのがとても残念でした。

 爆撃による悲惨な状況…というのを、テレビのニュースや昔の写真などから見ることはあっても、これまでに目の当たりにしたことはなかったので、眼の前にあいた孔には、正直なところ、かなり衝撃を受けました。周囲に何もない演習場のことではなく、実際には、人が住む街で起こり、家に落ち、人が傷つくのですから。

 何事にも備えて訓練を積むことの大切さと、それであって何もないことの大切さが、重く心に残った演習見学でした。こういう演習は、1年に一度だけ、しかも全国三か所で持ち回りで実施されるために、案内してくださった自衛隊の一佐のかたでも、三十数年の自衛隊生活の中でこういうものを見たのは初めてだとのことでした。まして、一般市民が、こういった爆破現場を実際に自分の目で見ることは、もう生涯ないと思います。間違っても戦場としてのシーンで見ることがありませんようにと心から願いました。

 今回の演習の実施担当は、南西航空混成団という沖縄の部隊のかたがただったそうですが、この一日の演習のために、本当に長い時間をかけて一から準備されたとのことです。高原の涼しい風が吹くとはいえ、本当に大変なことだったと感じました。とても丁寧に、さまざまな質問に答えてくださりながら案内してくださった航空自衛隊のかたがたにも感謝しています。

 何も特別にないこと…。その有難さと、それを守っていくことって、大切ですね。

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