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【映画】ブラックホーク・ダウン

 戦争映画。特に地上戦の映画は、自分が兵士同士の識別能力に乏しいためによく敵味方がわからなくなり、混乱するため(とほほ)、通常はあまり見ないのですが、この”ブラックホーク・ダウン”は、あるかたから、DVDをプレゼントしていただき、鑑賞することとなりました。

 もう長い交流をいただいて、私の志向思考嗜好などはよく知っていただいているかたからの贈り物であるだけに、最初封をあけてすぐは、なぜ私にこれを?…と思ったりもしました。でも鑑賞した後の今はなぜこれを送ってきてくださったのかがわかります。この映画のDVDをいただけたことをとてもありがたいと思いました。本当に凄い映画でした。

 …あいつぐ内戦のために飢餓に苦しむソマリアで独裁者アイディードが、権力をふるい、国際援助物質の食糧も管理する状況下に派遣された米軍特殊部隊の兵士たち。当初、短期間で片付くとみられたミッションも長期化していきました。しかも二機の最新鋭ヘリ、ブラックホークが墜落し、兵士たちは、そのヘリの乗員の救出とヘリの処置のために現地に向かうことになり、想像を絶する困難の中で戦うことになります。

 

 この映画を見ながら心に浮かんだことは2つの”なぜ?”でした。

 …まず、なぜ、他国の内乱に他の国の兵士が派遣されるのか。なぜ、この争いは存在しなければならないのか?… 冒頭のところから、その疑念をずっと抱えてしまいました。

 戦場に派遣されているとはいえ、戦闘前の兵士たちのどこかのどかで、どこかワクワク感すら感じるような映像は、それ自体もとても秀逸なのですが、その後の壮絶なシーンを鑑賞したあとでは、しみじみとそこが心の中で浮かび上がってきます。二機のヘリが墜落し、そこに万難をはいして救助に行くのですが、私は、戦争についての常識が希薄なためか、”どうしてそこにそうまでしていくのか”が、ずっとわかりませんでした。これが、2つめの”なぜ?”です。

 今、そこに向かえば確実に死者は増えます。まるで火中に飛び込んでいくような状況です。向かった人たちの撤収は、いったいそこからどうしておこなうの?、災害でいえば二次災害のリスクが限りなく高いそんなところに行くなんて…なぜ? なぜ?

 どんな状況にあっても、軍は兵を見捨てない。それをほかの兵士に示すことが、さらにその後の戦闘活動のための不可欠なこと… だとは思ったのですが、それにしても…と。

 最新鋭のヘリなので、爆破処置をして機密を守ることも必要だったのだとは、映画を見ていて気がつきました。それももちろん大切なことだと思いました。その意味がこの救出ミッションの中で本当のところはどれくらいの意味の比重をもっていたのか・・・。知りたいようであり、そうでない気もしました。

 戦争映画の感想というのをめったに書いた記憶がないので、うまくまとまったことが書けないのですが、いろいろなことの”意味”をここまで突き詰めて問われる映画にであったのは初めてだという気がしました。

 人が傷ついていくシーンが凄いです。人の体が、まったく無抵抗に、あるところから、ちぎれるように離されていってしまう。目を覆い続けたくなるような悲惨なシーンがいくつもありました。また、戦闘シーンがはじまってからは、一瞬たりとも心が休む間がなく、ずっとずっと緊張したままでした。最後の最後まで、まるで死に追われるままに走り続けるマラソンさながらで。そのリアリティ(たぶん、実際の戦争ではこの映画のとおりなのだろうと思いました)と緊迫感の衝撃はすごく、鑑賞後もしばしふるえがとまりませんでした。

 なぜ戦いがそこにあるのか。なぜ、そこに人は関与するのか。

 誰のために生きるのか。何のために死ぬのか。

 つきつけられるような映画でした。

 そんな中でも小道具がとても効いていました。ありきたりといえばそうなのですが、家族の写真。そして、最初に見た時はくすっと笑ったものの、最後まで見終えると、その意味の深さを思わずにはいられなくなった日焼け止めクリーム。また、冒頭などの音楽と、戦場での“音”がいずれもとても心に沁みました。

 一方、銃口を向けるソマリアの人たちを遠い視線で描いていたのも、この映画には成功だったと思います。一人一人の個性まで見せるシーンがほとんどなかったと思います。味方は”個”であっても、敵は”個”としてみることないのだと感じました。それが戦争なのでしょう。

 まとまりがつかないままですが、心がどこか爆風で飛ばされたかのような気さえします。この映画を映画館でみたら、心が受け止めきれたかどうかわかりません…。幸い、こうやっDVDでいただけたので、じっくり見なおすことができました。

 二つの”なぜ?”の一つは、国際的な状況をみていると推察はできます。もうひとつの”なぜ?”は、まだもやもやとしています。”仲間”…とは誰なのか。(追記:戦争のことに詳しい人にいろいろときいてみたところ、やっぱり徹底して味方を守りぬくことは士気のための基本。仲間を守る…その意識がとても大事だと聞きました。それで、もうひとつのなぜも納得できました。でも、でも、この”仲間”とは…と、心のどこかでまだ考えてもいます。)

 とにもかくにも凄い作品でした。贈ってくださたかたに感謝しています。

 Amazonで調べてみていると、原作も素晴らしいようで、ぜひ読んでみようと思いました。

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