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【本】夕凪の街桜の国

 とあるかたから、素敵なコミックをいただきました。「夕凪の街桜の国」…という作品です。…このひとつ前の記事「ブラックホーク・ダウン」では、激しい戦地からの視点でも戦争を深く考えさせられましたが、この作品は、ヒロシマの戦争後のひとびとの日々の中でのおはなし2つから、違う視点からの戦争を考えていくおはなしでした。

 それぞれに時間軸上の2つの時代の”その後”のお話…なのですが、私は、戦後10年のある女性の日々と心が描かれた”夕凪の街”がより深く心に残りました。

 しあわせだと思ったり、美しいと思ったりするたびに、生き残ったことについてのさまざまな想いがおこってくる…。でも、でも…。そんな気持ちが胸にしみました。

 親戚にヒロシマで被爆したものがいます。昔住んでいたところの近所には、特攻隊の生き残りになってしまったかたがおられました。そんな人たちの言葉を、なぜかいっぱい聴けなくて、ふとさえぎるように別の話をしてしまった記憶があります。話させては気の毒。いけない… そんな気持ちになってしまっていました。こども心にも。

 でも、この本を読んで、もっとちゃんと耳を澄まして正面からちゃんとおはなしをきいておくべきだったと思いました。その声を直接聞ける世代も、もうこんな年になってしまいました。二次的に聞く世代には、いったいどれだけ、どんなふうに伝わるのだろうかと思うと、やっぱり少しずつ、少しずつ、風になっていくのだろうなぁと思わずにはいられません。

 でも、いまでもいろいろな国で地域で、いろいろなことでぶつかりあって、多くの普通の人も傷ついていっているのですよね…。…。ふわっとしたやわらかなタッチの絵とセリフで書かれたコミックですが、いろいろなことがやわらかに迫ってきます。その一方ですべてが風になっていくような痛みも感じました。

 自分でもう忘れかけていたような気になって、そんな自分が心に苦かったです。この本を手にすることで、はっと気がつかされました。贈ってくださったかたに感謝しています。

 それにしても、たまたまそれぞれに違うおふたかたから、戦争に関する映画や本を紹介いただき、この時代に今こうやって生きていることの意味を考えさせられる春となりました。 もう冬眠も終わり。春眠も終わり。ちゃんと生きなくちゃ…。>自分。

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» mini review 08286「夕凪の街 桜の国」★★★★★★★★★☆ [サーカスな日々]
第9回手塚治虫文化賞新生賞、平成16年度文化庁メディア芸術祭漫画部門大賞を受賞した、こうの史代の同名傑作コミックを、『出口のない海』の佐々部清監督が実写映画化したヒューマンドラマ。広島原爆投下から13年後と現代に生きる2人の女性を通して、現在までに至る原爆の悲劇を描く。主演は、若手実力派女優の田中麗奈と麻生久美子。共演には中越典子、藤村志保、堺正章ら多彩な顔ぶれが集結。登場人物たちの人生や何気ない日常生活を通し、命の尊さを語りかけてくる。[もっと詳しく] 原作者であるこうの史代がスクリーン・トー... [続きを読む]

受信: 2008年5月 1日 (木) 12時38分

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