« 【映画】ダージリン急行 | トップページ | 東京おのぼりさん♪(1) »

【読書】チベット 死者の書

 1993年にNHKスペシャルで放送された「チベット死者の書」という番組は、死を迎えるの人に死の前後49日間にわたって、読み聞かせる「死者の書」…バルド・トドゥルというを通して、ある種の死についての向き合い方を示すものでした。

 ある老人がなくなったときに、実際にその49日間をカメラで追った作品はとても印象に残り、その内容がほんになったときすぐに買って読みました。

 本には、その「死者の書」についての経緯、49日間の儀式はいつだれによってどんなふうに行われていくのか、そして、唱えられる言葉(一部)が記されています。映像から伝わった雰囲気が十分に伝わるかどうかは別にして、死との向き合い方、その表と奥…を考えさせられる本としてコンパクトな本だったと思います。昨今、ニュースで話題のダライ・ラマ14世のインタビュー(もちろん15年前の番組収録当時)も載っており、その言葉の明快さ、深さにも感じるところがありました。

 最近、ひょんなことで、チベット仏教の話が知人と出て、そういえば…と思いだし、本棚の奥からごそごそとこの本を取り出してきて読みなおしました。同じ本を読んでいるのに、15年前に読んだときには、たぶん読み飛ばしていたであろう一節にセンサーが動き、そこにそれがあり、変わったのは自分… と感じました。

 この本の最後に次のような一節が書かれています。(以下引用)

 …最後に、「チベット死者の書」は、埋蔵経であったことを思い出してください。時代に必要な英知は、決して古くなることはなく、それが必要になったときには世の中に再発見されるのです。経典の智とは、その読み手から独立して外の世界に存在するものではなく、それを読む人がそれぞれの経験と知識を必要に応じて創造していく行為なのかもしれません。仏教の死生観をやさしく記述してある「チベット死者の書」は、死が困難になった時代ににこそ発掘し、その読み手が自らその意義を再発見すべき仏典なのではないでしょうか。… (引用終わり)

 すべてがAutomatically にやってくる必然。本には出会うべきときに出会う。それを感じた一冊でした。

 ところで、多くの日本人はなぜ死を恐れたり、忌み嫌うのか…。チベットの人にそういう感覚はないとこの本に書かれています。私自身は、今は死が怖いとは思っていないのですが(死に至るまでに激しい痛みや試練があるとしたら、それは怖いですが)、それもまたどこかで変わり、死を怖いと思う時がくるかもしれません。そんなときに、自分の心が自然にこの本などを求めることばできたら…とふっと思いました。

 でも、それもまた、“必要に応じて”あらわれることなのでしょう。

 

|

« 【映画】ダージリン急行 | トップページ | 東京おのぼりさん♪(1) »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【読書】チベット 死者の書:

« 【映画】ダージリン急行 | トップページ | 東京おのぼりさん♪(1) »