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2008年3月

【読書】チベット 死者の書

 1993年にNHKスペシャルで放送された「チベット死者の書」という番組は、死を迎えるの人に死の前後49日間にわたって、読み聞かせる「死者の書」…バルド・トドゥルというを通して、ある種の死についての向き合い方を示すものでした。

 ある老人がなくなったときに、実際にその49日間をカメラで追った作品はとても印象に残り、その内容がほんになったときすぐに買って読みました。

 本には、その「死者の書」についての経緯、49日間の儀式はいつだれによってどんなふうに行われていくのか、そして、唱えられる言葉(一部)が記されています。映像から伝わった雰囲気が十分に伝わるかどうかは別にして、死との向き合い方、その表と奥…を考えさせられる本としてコンパクトな本だったと思います。昨今、ニュースで話題のダライ・ラマ14世のインタビュー(もちろん15年前の番組収録当時)も載っており、その言葉の明快さ、深さにも感じるところがありました。

 最近、ひょんなことで、チベット仏教の話が知人と出て、そういえば…と思いだし、本棚の奥からごそごそとこの本を取り出してきて読みなおしました。同じ本を読んでいるのに、15年前に読んだときには、たぶん読み飛ばしていたであろう一節にセンサーが動き、そこにそれがあり、変わったのは自分… と感じました。

 この本の最後に次のような一節が書かれています。(以下引用)

 …最後に、「チベット死者の書」は、埋蔵経であったことを思い出してください。時代に必要な英知は、決して古くなることはなく、それが必要になったときには世の中に再発見されるのです。経典の智とは、その読み手から独立して外の世界に存在するものではなく、それを読む人がそれぞれの経験と知識を必要に応じて創造していく行為なのかもしれません。仏教の死生観をやさしく記述してある「チベット死者の書」は、死が困難になった時代ににこそ発掘し、その読み手が自らその意義を再発見すべき仏典なのではないでしょうか。… (引用終わり)

 すべてがAutomatically にやってくる必然。本には出会うべきときに出会う。それを感じた一冊でした。

 ところで、多くの日本人はなぜ死を恐れたり、忌み嫌うのか…。チベットの人にそういう感覚はないとこの本に書かれています。私自身は、今は死が怖いとは思っていないのですが(死に至るまでに激しい痛みや試練があるとしたら、それは怖いですが)、それもまたどこかで変わり、死を怖いと思う時がくるかもしれません。そんなときに、自分の心が自然にこの本などを求めることばできたら…とふっと思いました。

 でも、それもまた、“必要に応じて”あらわれることなのでしょう。

 

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【映画】ダージリン急行

 久々に映画館で映画を観ました。”これは絶対に見に行くのだ”と心にかたく決心して、万難を排し、初志貫徹を持って鑑賞にのぞんだ(かなりおおげさ…?)映画は、本当に久しぶりです。そうやって見に行っただけでも、嬉しい映画は、「ダージリン急行」という作品です。

 なぜに見に行こうとしたか?…というと、それはもう理由はひとつで、舞台がインドだから…。なぜか知らねど、最近は、”インドヲタク”…と呼ばれることが多いだけに、もうそう呼ばれるからにはとことんインド♪…と思い、見に行きました。

 うーん。好き嫌いが分かれるかもしれませんが、私は、インドに対する興味もあったからかもしれませんが、それ以外のところでも、なんだか無理なく力まずにはまってしまいました。

 父親が亡くなってから疎遠になっていた男兄弟三人が、インドのダージリン急行で旅をして、父親の葬式にも参列しなかった、ヒマラヤにいるという母親に会いにでかようとするロードムービーです。

 仕切り屋の長男をオーウェン・ウィルソン氏、なんとなくほにゃららな二男をエイドリアン・ブロンディ氏(どうしても”戦場のピアニスト”のイメージが残ってしまいます)、なんとなく末っ子キャラの髭の三男をジェイソン・シュワルツマン氏が演じるのですが、その組み合わせと、また舞台であるインドとの距離感がとてもよいと思いました。

 究極の大道具というべきインドから、ルイ・ヴィトン特製と思われるバッグシリーズ、さらには花のレイからヘビに至るまで、小道具が実に秀逸で、また、さまざまな伏線のはりかたがよかったです。さらに、なんともいえず音楽があっていました。

 列車を実際にそっくりレンタルして撮影をしたというだけあって、とりわけラストシーンでの列車のセットは非常に素晴らしかったです。

 さらに、本当に細部までいきとどいていると感じたのが、カメオ出演されているビル・マーレーさんの役どころです。なんとなく、ロスト・イン・トランスレーションを髣髴させられてはっとしました。あとでパンフレットを見てみますと、共同制作が、ロマン・コッポラ氏で、あの「ロスト・イン・トランスレーション」の監督であるソフィア・コッポラのおにいさんだったのです。

 書けばきりがないほどに、いろいろとインドのことと結びつけてしまいたくなりますが、インドのことにはさほど興味がない人はこの映画をどうご覧になるのだろう?と思いながら観ました。なんだか感想をうまくまとめて書けないのですが、このカオスぶりもまたインドということでおゆるしを…。

 

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【読書】おきなわ健康大学

 …”目からウロコの健康講座 おきなわ健康大学 ~全国版~”という本をいただき、早速読んでみました。

 実は親戚の健康話題大好き人間さんたちの強力なプレッシャーとたゆまぬリピートで、いろいろなことが耳タコとなり、子供じみた反発心をもってして、日ごろ、コーラ、ファーストフードをせっせととり、不摂生をばかりを心がけ(?)生きております。

 病院には極力足を向けず(風邪をひいても、ネギに熱湯をかけて飲んであたたかくしてねていよう☆というタイプ)の私でも、”くださるかた次第”で、かくも素直に本は読めるのだ♪ということを証明できた本でした。身近なところから、すーっと入っていくことができる本でした。乳製品についての記述は、とりわけびっくりしたりしました。

 医学的考証云々はとてもできませんが、なんとなくすーっと入ってくる本で、なによりもとにかくめんそーれ沖縄…というか、とても明るい本で、「!」と「♪」がいっぱい。なんだか、その昔のTVドラマ「ちゅらさん」のちゅらさんが語っているような感覚でした。

 …アトピーのお話などがでていて、アレルギーの話ものっていますが、花粉症に特に言及したところがないのが、また沖縄らしい?とうらやましく思ったりしたのは、また、読み手のとほほな季節要因からくる想いです。

 …へぇぇ…と思ったところを中心にこれから、少しずつ、意識をかえていきたいと思いました。

 著者は健康アドバイザーの宮城正照氏(テレサ・プランニング刊)。著者は、医師ではなく歯科医師で、その立ち位置というのが、この本に、ほかの健康関連本と少し違う距離感を作っているのかもしれません。

 健康話は耳タコ…であったはずなのに、素直にすっといっきに読めました。くださったかたに心から感謝です。

 …最近、ほかのかたからもいろいろと言われて、食生活を少し変えていこうと、考えていたところでした。ティラノザウルス的生活から、ブラキオサウルス的に変えていこうか・・・と思ったりしています。

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【DVD】東京タワー

 … リリー・フランキーさん作の「東京タワー」は、以前、知人の奨めで読みました。よい作品でした。でも、私には、なんとなく、近いはずなのに遠くに感じる作品だったのですが、…ふっと同じタイトルのDVDをレンタルショップで見かけて手にしてみました。映画化されたとはきいていたのですが…。

 DVDは、原作とは、なんとなく香りが違っている気がしたのですが、原作よりはより平準化されている気がして、原作が強力なフィルターで濾過された気がしました。なんとなく、記憶のどこかにあった映画評とイメージが違う気がして、感想を書く前に、ネットで確認して…と思ってみてみますと、どうやらこれは映画ではなくてドラマのほうだったのだと気が付きました。田中裕子さん、広末涼子さん出演のものです。

 私は田中裕子さんのキャラが好きなので、この作品の中でもその表情で”○”。でも、なんとなく、ほかの主要キャラのかたのバランスが違うような気がしたりもしました。

 東京タワーは、20年ほど前に一度だけ行ったことがあります。その行く末がどうなるのかわからないので、できればもう一度、なんとなく行ってみておきたい気がします。東京を俯瞰するにはよい高層スポットがいっぱいできていますが、なんとなく、ノスタル爺さんとともに…というのは、やはり東京タワーかなぁ…と。

 ”おのぼりさん”ツアー。まさにそのままの東京をいつか、またしてみたくなりました。

 以前、脳科学者の茂木健一郎さんの講演を聴きにいったときに”誰かがくると、すぐ料理を出して、食べていきなさいと言いたがるのが九州のオカンのような気がします”と、小倉出身というおかあさまのことを語られていたことを思い出しました。

 料理下手なので、なかなか人が来られても手料理をだせないのだけれど、そんなふうにちょっとなってみたいかも… と、この作品を見てふっと思ったりしました。

 なんだか、ちっとも”東京タワー”でないかもしれない”東京タワー”のオハナシですみません。

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【回想輪廻】11人いる!

 とあることから、大昔、友人から薦められて読んで、好きになった漫画を思い出しました。

 萩尾望都「11人いる!」 です。宇宙大学の入学試験なるもので、いわば集団試験で、10人が一グループになって、ある宇宙船に乗って決められた期日内を過ごすことになり、ちゃんと期日まで頑張れば全員合格。何らかの理由で、期日前に緊急ボタンを押せばリタイア。全員不合格…。

 ある宇宙船に乗り組んだグループは、10人のはずなのに、実は11人…いることに気が付きました。すなわち11人目は、そのミッションをつぶそうとしている存在…。さて、それは誰? … それがわからないままに、宇宙船内ではいろいろなトラブルが起こり、互いが疑心暗鬼になります。その一方で、互いにお互いの背負うものも知り、わかりあっていく場面もあるのですが、いろいろなことが起こり、とうとう、緊急ボタンを押すか押さないかという場面になります。押してしまえば、大学に入って、果たしたかった夢が消えます。それでも… それでも…。

 いろいろな意味でとてもおもしろい作品でした。カラーページがある本を今も大事にしていますが、Amazonでみると、親しみやすいサイズのものもでているようです。これは、いろいろな人におすすめしたいなぁと思いました。お薦めです。”続・11人いる!”もおもしろかったです。

 昨日は、ある人から、「ひぐらしのなく頃に」というコミックを借りました。といっても”解”という解決編の3巻まででラストまでではないのですが、そこまでいっきに読んでみて(コミックを読むのは実は非常に稀…)少々混乱しています。時空が交錯しているのかな?…よくわからないのですが。すごく描写も怖くて、でも、なんとなくこの先に光があるのでは…と期待したい作品です。コミックはめったに読まないのですが、ちょっとこれで火がついてしまった感じで、もうほこりをかぶっているものを取り出して、ちょっと読んでみようかと、書棚をごそごそしてしまいました。

 ちょうど仏陀の生涯について調べたいことがあったので、手塚治虫さんの“ブッダ”から読みなおしてみようかなぁと思ったり。

 …そういえば、仏陀といえば、インド。日本でインドといえば、仏教国と思われがちですが、そのインドでは、11世紀に仏教は一度消滅したと言われていて、現在の仏教徒人口(国民の1~2%程度といわれる)は、第二次大戦後に仏教徒になった人なのだとか。そのインドでいろいろみかけたシーンまでに、想いが輪廻?する一日でした。

 さて、週明け。また頑張りましょう☆ 最近、眠り粉で怠惰になり、今日はまた黄砂もいっぱい…(黄砂アレルギーもあり…)で怠惰に過ごす予定だったのですが、”何がおこるかわからない宇宙では、常に11人目を意識して行動することが大事”…「11人いる!」の中のそんなセリフを思い出して、ピシッとできたらいいなぁとおもいます。

 

 

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【映画】007 カジノ・ロワイヤル

 花粉は眠り粉。いろいろな悪さもするようで、ようやく見た映画の感想を、一生懸命書いたのに、アップしようとすると全部消えていてショック…でした。気をとりなおして、でも、もう長くもう一度書くパワーはなくて、凝縮タイプ?で感想を…。

 ボンド役の俳優さんが変わったことと、007が誕生するころのストーリーということで、見てみたかった作品をようやくみることができました。

 ずいぶんと変わったと感じました。まず冒頭シーン。以前は、ひとつのストーリーがそこでできていた感じだったのですが、え?これだけ?という感じで過ぎました。そこにあった華麗さ?のようなものはなく、ある意味質実剛健なイントロでした。

 映画は、途中で、これはポーカー映画?… かと思うほどの展開になり(もっとも、それでこそカジノ・ロワイヤルですが)、急に賭博つながりで“スティング”を思い出したりしました。これまでの007役の俳優さんでしたら、これまた華麗な賭博場でのシーン…になっていたかと思いますが、今回の007役、ダニエル・クレイグさんなればこその雰囲気で、ここに違う意味でのよい緊張感が流れていたと思います。ここも質実剛健ですね。

 ストーリーは、これでもか、これでもか・・・というほどの裏切りの連続。予測不明の展開で、そのあまりの裏切りに観ていてつらくなりました。でも、これこそが、007が007になるために必要な”誰をも疑え…”というところを体感するために必要なところだったのでしょう。どこまでも落ちていくような不信感が、まさに無限地獄。”インファナル・アフェア”の世界を思い出しました。(インファナルアフェアとは、落ちていく地獄が違う気がしましたが)

 ところで、…途中で、007の肉体が出てくるシーンがあるのですが、質実剛健な肉体でした。…でも、正直なところ、私は、俳優さんは、衣類を身につけてくださっているほうが、安心して見られます。…実は今、気になっている映画があるのですが、私の好きな俳優さんのそういう(どういう?)シーンがあると教えていただき、これは見ることをあきらめそうです。(・・ブログでこの件を教えてくださった管理人のかた…もしここを読んでくださっていたら、その後、あわあわして、さらなるコメントをどう書いてよいのかわからず、失礼を重ねていること、ご理解とともにおゆるしください。コメントへの返信を読んでのち、あせあせっ…しております…。)

 それから、数々のアクションシーンも印象に残りましたが、今回は、爆破系が多く、これも質実剛健?。大技多い中で、その結果がとても繊細かつ大胆なものにつながる、ベネチアでの“水”を使ったシーンに感服しました。これはすごいと思いました。私の中では一番の見どころになったところでした。

 また、その中で、ボンドガール役が、エヴァ・グリーンさんですが、実に美しい…。今回の役どころはこれまでのボンドガールさんとは違う難しいところがあったと思いますが、それを見事に演じていたと思いました。ある時は弱く、ある時は強く…。女性の本当の強さ、弱さをいろいろな場面でみることができました。ボンドと彼女との心のあやも複雑で、自分だったらどうしただろう?といろいろと考えてしまいました。  

 …裏切りにつぐ裏切り…で、むごさとせつなさとが交錯しました。こんな想いをしてまで、どうして、彼は007として、働き続けなければいけないのか?… その答えが、私はまだ見つけられません。

 エンターテイメントとして十分に楽しみながらも、ずん…と感じるものがある007でした。

 

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