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【読書】灰色の北壁

 そこに山があるから・・・。

 まさにその理由ゆえに山に行く知人たちから、登山の話をきくたびに、なんともうらやましくてしかたなくなります。自分にそんな体力と行動力がないため、私自身は学校での遠足やハイキング程度の経験しかなく、それでも山の写真を見ることや、山への挑戦の本などを読むのは大好きなので、本当にうらやましいです。

 新田次郎氏、森村誠一氏、そしてこの真保裕一氏らの山の小説に手がのびやすいのも、きっとこのあこがれからかもと思います。

 「灰色の北壁」真保裕一氏著 講談社文庫

「黒部の羆」「灰色の北壁」「雪の慰霊碑」の三篇からなるこの本は、あっというまにページを進ませてしまいました。

 いずれも、山を舞台にした人の心の壁や稜線を描いた作品で、人間ドラマとしては「雪の慰霊碑」が、山男の話としては「黒部の羆」が、そして、プロットとしては「灰色の北壁」が印象に残りました。特に、「雪の慰霊碑」は私にしては意外な展開がみごとに内包されていたと感じ入りました。この先がどうなるのだろう… 予測可能なようで、なんとなく大きな含みのあるストーリーでした。(ネタばれにならないようにここは内緒でいましょう)

 それにしても、やはり自分自身で山に行くことなきものには、わかったつもりになってはいけない世界…そんなふうに感じ、感想を述べることについてもためらってしまうような…いわばただ麓からながめているものにすぎない気が、読後も続いています。

 そんな世界の本でした。

 

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» 【真保裕一】灰色の北壁 [higeruの大活字読書録]
 待ってました真保さん、こういうのが読みたかったのだよ!  第25回(2006年)新田次郎賞受賞作品。この賞は「ノンフィクション文学または自然界に材を取った作品」に与えられるものだとか。なるほど納得の一冊である。  山をテーマとした三つの中編が収められている....... [続きを読む]

受信: 2008年2月 2日 (土) 21時18分

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