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【読書】”外套”と”芋粥”

 世の中、呪われているというか、運が悪いというか、間が悪いというか、よりによってというか3代(3世代というわけではないのですが)続く凶事…というのも世にあるものだと、ふと昨今のニュースを見ながらおもうことしきり。

 むかし聴いたさだまさしさんの曲に、”運がいいとか、悪いとか…そういうものって確かにあると…”というような歌詞のものがありましたが、最近、「運」について考えてしまいます。それについてつながる作品、2作をふと手にとってしまいました。

 一つ目は先日、ジュンパ・ラヒリ氏著の「その名にちなんで」を読んだ時に、作中にでてきて気になった、ゴーゴリの「外套」です。ロシアの貧しい下級官吏が、つんつる…になるまで同じ外套を着ていたのですが、もう修理もできないほどになって、「これ以上は修理できないので新しく作りましょう」と、仕立て屋さんに言われてしまい、爪にあかりをともすようにして貯めたお金で外套を新調するのですが、なんとその外套を…。こちらは、あまりにわびしい男性の物語です。陳情に行った先で、人前で虚勢をはりたかった高級官僚によって、ひどい言葉をあびせられるシーンでは、権力とはいかなるものかをよく象徴していると思いました。

 これを読みながら思い出したのが、「今昔物語」の中の「芋粥」で、こちらは、一生に一回でいいから、おなかいっぱい芋粥が食べたいなぁ…と願うこれまた下級官吏が、思いがけないことのなりゆきから、芋粥をおなかいっぱい食べることができる機会に恵まれる…というおはなしです。ほわほわしてあたたかく、昔から大好きだったお話です。

 ともに下級官吏で、ともにささやかな夢…。比べて読むと、その暮らしぶりとささやかな人生の中のぽっとともった大イベントの明暗が、切々と胸に感じられます。

 ”今は昔”… どれだけ時代が変わっても、国が違っても、変わらないなぁ…と感じた、短編2作。秋の入り口の読書タイムでした。

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