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帚木蓬生氏の講演会

 「聖灰の暗号」「国銅」などを書かれた作家、帚木蓬生氏の講演会を聴きにでかけました。

 ずっと、その清冽な筆致に憧れてきたかたで、いったいどんな方が書かれておられるのかと、ぜひ“実物”を拝見したい一心ででかけました。外見のイメージは、温厚で知的な紳士でまさに、作品のイメージそのもの。でも、ご講演は、最初から会場を笑いの渦に巻き込んでしまわれ、時にはシャウト(?)され、熱く語られるかたで、勝手に想像させていただいていたイメージと大違いでびっくりいたしました。ご自身で、”吉本興業出身”と言われるほどの非常にユーモアあふれるお話で、ともすれば、暗くなりがちな、社会的な問題を含む病気についての話題を、みごとに伝えられておいででした。

 今回の講演は、作家としてのお立場ではなく、精神科医としてのお立場からのもの。ギャンブル依存症(正式には”病的賭博”というそうです)についてのお話でした。

 ギャンブル依存症は、「嘘」と「借金」が二大症状で、そのため家族や友人が非常に苦労すること。これは、脳内の物質量が変化する(ドパーミン、ノルアドレナリンが増え、セロトリンが減る)”病気”であり、個人の人格云々ではない。

 治療法は、患者が作った借金は、自己破産や任意整理などの法的な手続きで自分で責任をとらせていき、ギャンブル依存症の自助グループ(G.A ギャンブラーズ・アノニマス)に週1回以上、それから月1回は精神科クリニックに通うこと。

 といった病気のお話だけでなく、この病気を生み出している背景には、社会的な問題がたくさんある。…“ギャンブル”を助長する現状に対しての心の底からのお怒りが、ユーモアあふれるお話ぶりの中からもよくうかがい知ることができました。

 最初は、ただただ笑いの渦に茫然としたのですが、拝聴しているうちに、だんだんと、ああこのかただからこそあの作品が…と、頭の中で、結びついていき、楽しい中に、心のおさまりどころもすっぽり見つかる、また、終わったあとに、そのご講演の内容を多くの人に伝えたくもなる、素晴らしい講演会でした。

 この講演会の情報をくださったかたに心から感謝します。

 ちなみに、今回の講演は、”北九州いのちの電話 開局30周年記念講演”ということで、この講演に先立って、30年の歩みをふりかえられお話もほかのかたからあったのですが、30年間で25万件超の、心のSOS電話にボランティアで応対をされ続けてこられた、この事業をされておいでのかたがたに、心から敬服しています。

 

 

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