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【映画】華麗なる恋の舞台で

 昨日、時間がぽっこりあいて、飛びこんだリバイバル館で、思いがけず、「わぉ」…となる作品に出会いました。「華麗なる恋の舞台で」…という、サマセット・モームの「劇場」(未読)を原作にした作品です。

 1930年代のロンドン演劇界。日々続く公演にうんざりしていた、40代半ばの人気女優ジュリア(アネット・ベニング)は、劇場の経営者である夫(ジェレミー・アイアンズ)のところに訪ねてきた、息子ほどにも歳がちがうアメリカの若者TOM(ショーン・エヴァンス)のアプローチで恋に落ちます。でも、やがてTOMは心変わりして、あろうことか、新しい恋人で女優の卵であるエイヴィス(ルーシー・パンチ)に、舞台でのよい役を…と彼女に頼む始末。

 傷ついた彼女の心をいやすのは故郷と、昔からのよき異性の友人、タマリー卿(ブルース・グリーンウッド)と、彼女の心の師で今は亡き劇場の座長であったジミー(マイケル・ガンボン)の亡霊。

 なんとかロンドンに戻った彼女は、TOMの彼女とともに新作に取り組むのですが、その時に、息子ロジャー(トム・スターリッジ)から、ショックな言葉と、彼女の夫がまた、TOMの彼女とも…という話を聞きます。

 舞台稽古では、もう次の世代のヒロインに華をもたせるように演出をかえていく、どこかさびしげなジュリア。やがて、その舞台の初日の幕があきます…。

 …と、このあとが、とにかくとても眼をみはるような展開なので、レンタルビデオや名画座などでご覧になられる機会があるかたは(特に女性)…とおすすめいたします。

 すごくあっさりとした、冷たいヴィシソワーズ(スープ)のような味わいながら、あとでふっと考えていくと、けっこう深くて、はっとなる部分があります。また、この登場人物が、いずれも”ベテラン女優のプロ””劇場経営者のプロ”ほか、すべてに、そのスペシャリスト…と思えるような割り切り方ができるキャラクターばかりで、プロの在り方を見る映画だとも思いました。

 主役のアネット・ベニングさんは、「アメリカン・プレジデント」がとても印象に残っている女優さんでした。残酷なほど、顔のしわが大写しに何度も何度もなっていて、ある意味では辛い役柄だったのかもしれませんが、すばらしいプロ根性?を見せていただきました。

 また、女優の夫を務める男性も、女優の浮気も自分の浮気も全部、劇場経営のためにはポジティブにとらえていけるようなところがあるようで、これまたその役がらとしてプロと感じました。

 さらに私が一番、「♪」となったのは、ブルース・グリーンウッドさんという俳優さんです。すごく素敵で、このかたがでているシーンでは、脈拍数が増えてしまいました。あとで調べてみると「13デイズ」で、ジョン・F・ケネディ役をしたかただったとは…。

 とにかく最後の15分?が秀逸です。ラストシーンは、深くてしみじみと感情移入できました。”あっぱれ…”です。

 ところで、男性と女性の間では、友情は成立するのでしょうか…。(学生時代とかでなく、たとえばこの映画のように壮年期になって)この映画の中の“友情”に、びっくりするような特殊条件がついていて、そういう条件なしでは無理なのだろうか…と、ふと思ってしまいました。

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» 華麗なる恋の舞台で [扉の扉ー]
この映画は面白いですよ♪ 原作は サマセット・モームの「劇場」 成人した息子がいる 女優ジュリアのお話です ストーリーについては・・・この辺りで止めておきます 「それぞれの愛とか、恋とか、秋とか(^^;)」 をお楽しみ下さい♪ お国柄は違っても 「演じる」と言う事は通じているのでしょう 見終ってしばらくして フッと 世阿弥の「花伝書」の言葉を思い出しました 【 秘すれば花。秘せずば花なるべからず。】 ジュリアは見事な花を咲かせていました... [続きを読む]

受信: 2007年9月 9日 (日) 12時01分

» 華麗なる恋の舞台で (2004) [マーク・ダーシーの日記]
華麗なる恋の舞台で 監督 イシュトヴァン・サボー 出演 アネット・ベニング、ジェレミー・アイアンズ 評価 8 ★★★★★★★★  1938年、ロンドン。ジュリア・ランバートは女優として演劇界の頂点に立ち、興行主兼舞台監督の夫マイケルとの結婚生活も順調で満ち足りた日々を送っていた。しかし、変化のない生活に不満を感じずにはいられなかった。ちょうどそんな時、親子ほども年の離れたアメリカ人青年トムがジュリアの前に現れる。彼女の熱烈なファンだというトムと瞬く間に恋に落ちるジュリア。求めていた刺... [続きを読む]

受信: 2007年9月15日 (土) 21時27分

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