« 【映画】明日の記憶 | トップページ | 【映画】タンゴ・レッスン »

【映画】ゾディアック

 このキーワードが入ると見に行かずにはいられなくなる♪というキーワードのひとつが、私にとっては「暗号」で、その暗号もの映画と期待してでかけたのですが、残念ながらその意味での期待は裏切られました。(でも、これは”エニグマ”などもしかりで…。暗号はあくまでも映画の中の小道具にしかなりえませんね・・・)

 また、2時間37分という長さの映画でもあるのですが、途中で、少々気持ちがついていかなくなってしまったりもしました。なぜかというと、それは私がいつのまにかこの映画で、事件を追ってのめりこんでいく男たちに呆れる女性陣と同じような気持ちになっていってしまったから・・・。その”呆れてしまうほどにのめりこんでいった男たち”の行動がこの映画の主題なのでしょう。映画を見終えて、ちょっとしてから、この映画のおもしろさがじわっとわかってきた気がします。

 ストーリーは、1969年からアメリカでおこった連続殺人事件がベースです。犯人は、ゾディアックと名乗り、新聞社などに、手紙を送り、”犯人しか知りえない秘密”を書くことによってその信ぴょう性を示し、それと同時に暗号文で、メッセージも送っていくのです。犯人を確定できる証拠はなく、状況証拠のピースをあつめて、ジグソーパズルを組み立てていくかのように犯人探しは行われます。

 それに翻弄されるのが、新聞記者のポール・エイブリー(ロバート・ダウニー・Jr)、同じ新聞社に勤める風刺漫画家のロバート・グレイスミス(ジェイク・ギレンホール)そして、警察のトースキー刑事(マーク・ラファロ)ほか…。

 男たちはそれぞれに事件にかかわりすぎて、男たちは、いろいろなものを失っていきます。それでも、ロバートは最後まであきらめず、家庭をも犠牲にしながら調べ続け、彼が書きあげてまとめたゾディアックという本が、結局この映画の原作になっているわけです。

 そこに謎があり、しかも調べて、追っていくうちに、点が線になり、線がピースになり…謎の核心に近づいていくような感覚を覚えるとき、それはまさに知的なゲームであり、多くの人がわくわくして当たり前でしょう。そして、「自分はここまでわかったぞ☆」と言ってみたくなるのもまた当たり前のこと。この映画は、それを素直にだしていた男たちと、家庭を守ること、リスクをさけることを考えた人たち(男女とも)が、それぞれにその立場をよくあらわしていたと思います。特にのめりこんでいく男たちの様子は、さながらすごいおもちゃを与えられた子どものようにもみえました。

 謎をとくという夢?を追う男たちと、現実的な女性たち。女性を表現することで、男性たちの思考、指向、嗜好を浮かび上がらせていたような気がします。

 ゾディアックという犯人は、本来は彼自身が一番目立つことを願ったのだろうと思います。が、彼には皮肉ですが、この映画で一番、脇役だったのは、ゾディアックだったかもしれません。

 未だ解決されていない事件であるだけに、どんなふうに結末をまとめるのかと思ったのですが、とりあえず一人の人物を、非常に疑惑濃厚として、結論づけていました。そこまでのプロセスが追っていけるようでいまひとつ追えなかったので、私は男たちの世界から途中脱落組となり、リスクを考え現実的になってしまう女サイドになってしまったのだと思いますが、もう少し、集中して見ていたら、きっともっと一緒に謎を追えて、私はきっと、もっとはまっていただろうと思いました。丁寧に描かれている映画だからこそあれだけの時間がかかったのだろうと思いましたが、やっぱり謎ときは、自分が主役で自分の足でするからこそおもしろいのだろうなぁとも思いました。

 事件の被害者のかたがたにとっては、それを謎解きなどというととんでもなく失礼なことで、こんなふうに事件をおこす犯人は… と思ってしまいますが。

 俳優さんはどの人もよい味をだしていたと思います。また、トースキー刑事の相棒役がアンソニー・エドワーズ氏。もうずっとERを見ていなかっただけに、グリーン先生がとても懐かしくなってしまいました。また、トースキー刑事役は、一見、コロンボみたい…と思ったのですが、声が独特のやわらかさと高さとゆったりしたスピードで、とても印象的でした。

 原作は、映画中での”ロバート・グレイスミス”によって書かれた本。今、半分くらいのところまで読んでいるのですが、なるほど、これだけのものを書くためにはあの執念が必要だったのかも…と映画を見終えて、やっと映画と原作がつながってきました。感想はまた読了後に。

|

« 【映画】明日の記憶 | トップページ | 【映画】タンゴ・レッスン »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【映画】ゾディアック:

« 【映画】明日の記憶 | トップページ | 【映画】タンゴ・レッスン »