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【映画】明日の記憶

 ずっと見てみたかったのだけれど、ずっとレンタル中で、やっとレンタルできた作品でしたが、消化不良感に悩まされてしまいました。  

 人生の脂が乗り切った広告代理店の辣腕部長が、モノを忘れやすくなったりするようになり、妻の勧めでしぶしぶ病院へ。うつ病を覚悟していたのですが、結果は思いがけずに若年性アルツハイマーと・・・。受け止めたくなくて、自暴自棄にもなったりも。いろいろと努力と工夫をして周囲には黙っていたのですが、やがてそれは会社も知ることに。

 できちゃった結婚の挙式を目前にしている娘の結婚式までは会社員で…と閑職への異動をも受け入れます。ずっと専業主婦できた妻は、昔の知り合いに頭を下げて職を得て、そして、留守番の彼のために、いろいろと手順をメモ紙に書いていきます。

 でも、病状は進んでいきます。…

 という、アルツハイマーをテーマにした映画でした。同じような病気をテーマにした「わたしの頭の中の消しゴム」や「君に読む物語」などよりも、もっとストレートに病気のことを描いていました。

 が、あまりにも重いテーマを真正面から受けているせいか、私の頭の中では、理解しきれない部分がおこったりもしました。よくわからなかったのは、主人公を支える奥さんの行動なのです。配偶者がこういう病気になったときには、結婚式のときの誓いに”病める時も健やかなるときも・・・”とあるように、もちろん苦しみをわかちあうことが”あたりまえ”のこと…。…なのかもしれませんが、それでもそんなきれいごとだけではすまないほどの重さがあります。この奥さんは、ときどき過去の不満を爆発させながらも献身的に夫を支えていくのですが、奥さんが不満を爆発させたときの言葉によると、子どもが受験で大変なときも、どんなときも夫は仕事一筋。家庭のことは全部奥さんが背負いやってきた…ということです。しんどい時、苦しい時に、そばにいながら手をかしてくれなかった人への思いをどうやって消化していけばよいのだろうかと思いました。

 きっと、この映画には描かれていない夫婦の情愛などがあったからこそ、あそこまで献身的にできたのかな…と思うのですが、そこのところを納得するには、そういう描写が不足している気がして、結局私には、あまりに美談すぎて…となってしまいました。夫婦って、長く一緒にいればその中で思い出ができて、あたりまえのように気持ちもよりそっていくものなのでしょうか。一番困難な時の辛さを共有できないときには、本来はそれを一緒に背負うべきひとであるはずと思うだけに、複雑な思いを抱えてしまうのではないのかと、家族の絆というものを考えずにはいられませんでした。

 この映画は、メインの渡辺謙さんの役どころについてはみごとに描かれていて、また好演もされているのですが、奥さんとの部分についてさえ、これだけ納得できないものがあり、ましてそれ以外の娘さんや、お医者さんや、そんな他の登場人物とのつながりがとても弱いと思いました。唯一、比較的描かれていたのが会社での同じグループの人とのことで。それは結局、主人公が家庭をも顧みずに生きてきた彼の会社での世界のこと。(だから、彼が会社を去ったあとには何もかかわってきません…。)

 この映画は結局、この主人公一人のためだけの映画なのだなぁと思いました。

 奥さんの心情が理解できればよかったのですが、それが私にはできなかっただけに、心に難しさを抱える映画となってしまいました。

 原作はどう書かれているのか気になってきました。

 ちなみに、この映画の中に、病気の診断のために、医師から3つの単語を言われて、患者はそれを覚えて、しばらくしてそれが何だったかをきかれるシーンがあるのですが、私はその2つ目を思い出せませんでした。きっとあとできかれるぞとその時に意識したにも関わらずです。

 

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