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【読書】ザ・ギバー 記憶を伝える者

 あるかたから薦められてお借りして、ページをめくりだすととまらなくなっていっきに読んでしまいました。ユートピア世界の理想とそこに秘められた罠?に少年が向き合っていくおはなしです。

 ストーリーを簡単に書きますと…。

 すべてが計画され、平和と快適さを得た社会。苦痛や悩みのないユートピア。その社会では12歳になると、長老会議が決定した進路に進むように決められていました。あるものは、老人介護にあたり、またあるものは医者になり、あるものはエンジニアに。そして、あるものは”子どもを産む”係りに。

 そういう中で、<記憶を受けつぐ者>に選ばれた少年ジョーナスは、記憶を伝える者ザ・ギバーから、記憶をひきついでいきます。その記憶とは、ユートピアであるこの世界が”選択しなかったもので、ただ特定の人の記憶の中で、保存だけされているものをひきついでいくもの”。

 この社会のほかのひとが知りえないことを知り、伝える立場となりました。ほっとするような幸せもあれば、また、この社会では考えられない苦痛もまたあるのです。

 それまでは理想の中で生きてきたジョーナスは、やがてそこに暮らす人々が失ってしまったものに気がつきます。また、その世界での安定をある意味では完璧にコントロールしていた”リリース”とはいかなるものかを知ったとき、彼の中ではおさえきれない感情がめばえます。

 

 …中学生向きの書籍シリーズの一冊なのかもしれませんが、とてもよく描けていて、考えさせられる本でした。事前情報なしで、このタイトルを目にしたとき、ザ・ギバーとは、表紙の長いひげをたずさえた男性の絵からのイメージとあわさって、なんだかサイババのような隠者と思っていました。実際、長老としてそれに近いものはあるのですが、英語で書くと、”The Giver”。 与えるものというイメージのほうが強いでしょうか。

 確かにこの本のラストに近いところで、ジョーナスが与えられたものの意味が光ってきます。人として生きていると、社会の中でいろいろなことがあります。よいことばかりではなく痛みも悲しみも苦しみも。

 毎年恒例となってきましたサラリーマン川柳もあります。映画では、ロッキー・ザ・ファイナルを見ました。実際の生活でもあれこれとあります。難しいこと、しんどいことはいっぱいです。でもそれらがなにもない世界なんて、またなんと色褪せた世界であることか・・・。それにはっと気がつかされる本でした。

 中学生くらいの人にもちろん読んでもらいたいと思いましたし、大人も、ぜひ…にと。おすすめくださったかたに感謝しています。

 ロイス・ローリー著 掛川恭子訳 講談社刊

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