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【映画】ラブソングができるまで

 

 「ノッティングヒルの恋人」「ラブ・アクチュアリー」と同じように素直に心があたたかく動くストレートな作品にまた出会うことができました。ヒュー・グラントさん&ドリュー・バリュモアさん主演による「ラブソングができるまで」です。

ストーリーをさわりだけちょっと書きますと…

80年代に大ヒットしたポップグループ「POP!」の二人のボーカリストのうち、ひとりはグループ解散後も順調路線を歩みますが、もうひとりのアレックス(ヒュー・グラント)は”過去の人”になってしまいます。

 TVで歌うことなどかなわず、いわば“どさまわり”のように、80年代を懐かしむ同窓会などで歌い、踊るだけです。そんな彼が、突然“昔からあなたのファンでした”という今をときめくカリスマ歌姫コーラ(ヘイリー・ベネット)の歌を制作するコンペに参加することになりました。でも、ライバルは7名。曲のタイトルは”愛に戻る道(Way Back Into Love)と指定され、締切までもごくわずか。マネージャー(ブラッド・ギャレッド)に背中をおされて曲つくりに入るのですが、ひょんなことからそこにやってきた”植木手入れ人”ソフィー(ドリュー・バリュモア)と出会い彼女が作詞を担当することになり、二人による曲つくりがはじまります。

 ただ、やがてわかってくるのは、アレックスもソフィーもそれぞれに過去の経験に傷ついていて、それをこえることが曲が作れることへの道にもなっていきます。

 …と、ここまでのストーリーで映画の30分ぶんくらいではないでしょうか。映画を見ているあいだは全く時間のことを考えませんでした。非常によく書かれている脚本で、好対照の二人の心のあやを、ちょっとせつなくもなるような80年代ポップスの歌と踊り、そして、大じかけで摩訶不思議な現代の歌姫の世界で包み込んでいきます。

 思わずふふっ☆と笑ってしまうようなセリフも適所にちりばめられていますし、主役の二人以外の登場人物が、またすべて、それぞれに味があるのです。細部にまで非常に気を配って作られているからこそ、110分くらいの時間をパーフェクトに楽しむことができたのだと思いました。

 

 以下数行は、ご覧になったかただけ読まれてください。ネタばれではないのですが、感想の核心?なので。反転させます。(マウスの左クリックをおされながら数行、すーっとたどっていただければ読んでいただけます。)

 私がこの映画と二人の曲に別のタイトルをつけるとしたら、「I need you」です。

 お互いが知り合い、認め合い、無意識の中で相手に力を与えていき、支えあっていくこと。そういう存在の人がいることが、前に歩いて行くための力になるのだとこの映画を見ながらしみじみと感じました。一番記憶に残ったセリフが、「I need you」で、それまでのふたりの痛々しい歩みをみているうちに、ビートルズの曲で、この言葉を3回続けて切なく歌う曲をふっと思い出してしまいました。あの曲の3回のせつなさがこの映画の二人の根底に流れていると感じました。でも、この映画では、それがさらっと流れていくので、1回きりのI need you. それもまたよい味だと思いました。

  (↑ここまで反転)

 現代の歌姫を演じたヘイリー・ベネットさんは、この映画が初の長編映画出演ということでしたが、美しい目にとてもひかれました。また、この映画の中で、ヒュー・グラントさんは、ピアノを弾き、歌うのですが、実は彼は全くそういう傾向をもっている人ではなく、この映画で猛特訓をうけて演じたとか。シニカル。でも、やることはやる…。そのヒュー・グラントさんとこの脚本・監督をされたマーク・ローレンス氏は、とにかくすごいと思いました。

 この映画の細部から想起した映画の本筋以外のことについては、またあらためて別のおはなしで書きたいと思います。

 GWに映画に…と思われたかた。粋であたたかな上質のラブコメとしておすすめです。

  

 

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